歌舞伎オンアイス行ってきました!
本当のタイトルは「氷艶」なのですが、この方がわかりやすいかと思って。
そうです、歌舞伎とフィギュアスケートのコラボという新しいショー、誰も見たことないショーというわけで張り切ってチケット取りました。
といっても6公演中2公演のみですが(全通している人はかなりいる筈)。
結論を申しますと予想をはるかに上回る面白いエンターテイメントでした。
本当に6公演しかないのがもったいない。
おそらくこれをもう一度となると出演者を揃えるだけでも大変だろうから本当にレアなものを観た、まさしく歴史の1証人になれたんじゃないかと思うくらい(大げさなようで大げさではない)。
あらすじはフィギュアスケート組の善、歌舞伎組の悪がたたかって善が勝つというものです(ざっくりしすぎ)。
細かく書くと長くなっちゃうんだもん(笑)。
詳しく書いているところはたくさんある筈なので(投げる)。
次から次へと見せ場がたくさんで書ききれないくらいほどですが印象に残っているところを。
まず、台詞は歌舞伎組にお任せで基本的にフィギュアスケート組は台詞無し、スケートで表現するというものでした。
下手に素人が台詞話すと世界観壊しかねないのでこれは正解だったかも。
唯一大輔義経の「静御前!」という台詞のみ。
しかし、逆にスケート素人の歌舞伎役者さんがスケートを滑っていることに感動しました。
かなり練習したんだろうなというのがわかる。
岩長姫役の笑也さんのみスケート経験者のようでさすがにいちばんスケーティングが違う。
あの裾の長い衣装を着てすーっと滑る様が本当に品があって素敵でした、怖かったけど(笑)。
圧倒的な存在感、そして嫉妬の炎メラメラな女の情念がすごかった。
それでいて憎めない可愛さがあるんですよね。
照明を花道に見立てての染五郎さんの六方(というのですね、今回で覚えた)がまたストレートラインステップシークエンスかというものでこれ本当にめちゃめちゃ練習しただろうな。
夜公演では1度こけてしまったのですが、その後の宙吊りで回転逆回転が昼よりも「多く回ってまーす」というばかりにめっちゃ回っててすごかった。
フライングが体育館なので高さがあって迫力あったんですよね、しーちゃん演じる女神登場の時も「たかっめっちゃたかっ!」となりましたもの。
しーちゃんといえば女神様は本当にはまり役であり彼女にしかできないのはわかっていたけれど、2役である蛇髪姫がめっちゃかっこよくて良かった。
ある意味1部でのいちばんのハイライト。
今まで観たことのないしーちゃんで新境地開いたなと思いました。
悪役めっちゃ楽しそうだったし(笑)。
しーちゃんだけでなく他のスケーターたちの今まで観たことのない面を引き出したというところもこのショーの収穫だったと思います。
染五郎さん天才か(笑)!
可憐な舞ちゃん、凛とした織田くん。この二人のカップル可愛い、でもちょっと素で照れてるなというのはわかった(笑)。
あっこちゃんの幻想的な静御前も良かった。
大ちゃんと一緒にしっとりと舞う姿本当にうっとりするくらい。
いちばんおっと思ったのは佳菜子ちゃん。
元々表現力には定評があったがこれだけ演技ができるのかと驚くくらい良かった。
足首に鈴をつけて滑っていたのですが、華やいでる時、悲しんでいる時が鈴の音でわかる。
元PIW+あきおくんの四天王、ショートトラック組のスピード感あふれるスケーティングなどいいスパイス効いていました。
歌舞伎組も悪いのに憎めないキャラばかりで。
最期があっけなさすぎて笑えてしまうところも(笑)。
で、本命の大輔さん。
かっこいいーーーーーーー!!!!!
染様本当に本当にありがとう!
1部は意外に大ちゃんの出番が遅めなのです。
待たせて待たせて「よっ待ってました!」というタイミングでの登場という演出が素晴らしい。
これも歌舞伎的なのかな(歌舞伎は1度しか観たことないのでわかりません)。
そしてその登場した時の客席の盛り上がりがすごくて笑ってしまうくらい、でもわかる!だってかっこいいもの。
よくよく考えたら弁慶や四天王に守られてて最後の殺陣以外ではあまり活躍していないのだがいいの義経だから(笑)!
それもわかるわという華がありました。
そしていちばんのハイライトは2部での舞。
悪人たちが宴をしているところに潜入して男装した阿国を装い舞うところ。
スケート靴を脱いであれだけ魅せられるのがすごかった。
日舞を舞っていたかと思っていたら途中から東京ゲゲゲイ振付の何かに憑りつかれたような舞になって、これが本当に目を離せなくてまばたきできなくてこれだけでもおかわりもう一度!となるくらいすごかった。
本当に今、私何を観たんだろうというくらい。
最後の殺陣は姫様たちもみんな参加なのがおかしかった(笑)。
しかし、スケートだとさらにスピード感あって迫力ありますね。
あっこちゃんと舞ちゃんがピンチというところにシャーッと現れた大輔義経が「ヒーロー登場!」というベタな感じでこれまたかっこいい。
剣の構えも決まっていてかっこいい、ああかっこいい(言葉が足りない)。
途中でバタフライ入るところとかひぇーってなるくらいかっこよかったです。
あの重たそうな衣装であれだけ跳べるのもすごいなと思いました。
そしてプロジェクションマッピングですが、昼公演では席が幕近くの端だったので良く見えてなくて正直あまりその効果をかんじなかったのです。
夜公演ではショートサイドに近かったので良く見えてああこういうことやってたんだというのがわかってすごく良かった。
席の当たり外れもあるかなと思いました。
あと、DRUM TAOの演奏が効果的でかっこよかった。
1部の蛇髪姫操る大蛇との動きや2部の殺陣に合わせてのパフォーマンスがすごかった。
実はあまり和太鼓は得意ではないのですが(お腹に響いてちょっと気分悪くなる)、今回スタイリッシュでその振動がまた心地よかった。
衣装も今までのアイスショーではない斬新なものでいろんな分野との融合が本当に面白かったです。
今回のショーでアイスショーの新しい可能性を感じました。
しーちゃんもFOI10周年でやりたいことはやった、色々限界を感じているというようなことを言っていたような気がしますが、
まだまだ色んな可能性があるように思います。
従来のアイスショーですと現役時代の成績が全てというところがあるのですが、大ちゃんも最近夢として語っているように
そこにこだわらない柔軟なキャスティングがあればいいのになと思いました。
PIWではそれまで色んなパフォーマンスをしていたからか、元PIW組の活躍がすごく光りました。
この経験を糧にまた新しいアイスショーが観られたら嬉しいです。
またこれをきっかけに歌舞伎も観てみたいなと思いました。
なかなか敷居が高くて1度しか行ったことないのですが本当の歌舞伎も観てみたい。