何気に生で大竹しのぶさんを観るのは初めてです。
(スウィーニートッドは未見)。
というわけで観てきました、「フェードル」。
ギリシャ悲劇物で難しいかと思いましたがわかりやすいのは演出が栗山さんだからか。
栗山さん演出ということで観るのを決めたのですが裏切らない出来でした。
あえて難を言えばもう少し重厚さも欲しいかなと思ったりも。
あとは役者の力の差も少し気になったところ。
ストーリーは継子イッポリットを狂おしい程愛してしまった王妃フェードル、しかしイッポリットが愛していたのは一族に反逆した娘アリシー。
しかし、フェードルの乳母エノーヌの策略で王テゼは自分の息子が妻を誑かしたとして息子を追放することにより更なる悲劇が・・・というもの。
ざっくり書くとただの不倫劇になってしまう(笑)。
パンフレットには登場人物たちはみなヴィーナスの呪いによって愛に翻弄される運命だったということが書かれていたので神と対峙する台詞が多かったのも納得。
しかし、ここは正直に言えばいいのに?逆になぜそれをここで言う?と観ながらハラハラしましたね。
そこはまた昼メロ感覚か(笑)。
結局キーヨ(の役)が一番悪いよねw
とにかく大竹しのぶさんが圧巻でした。
圧倒的な存在感とよどみなく緩急効いた台詞回し。
そしてほぼしのぶさんとの2人芝居であったエノーヌ役の緑子さんも素晴らしかった。
恋される平さんは本当にぱっと見お父さんにそっくり。
恋い焦がれるのもわかるわという佇まいが素敵でした。
しのぶさん以外でいちばん印象に残ったのはイッポリットの養育係テラメーヌ役の谷田さん。
とにかく台詞回しが心地よかった。
どこかで名前を拝見したことあるなと思ったらアドルフの本多大佐役の方ですね。
舞台の使い方、照明がああこれって栗山さんだなというもの。
時折照明が十字になりその真ん中で役者が話すところは十字架を背負ったようにも見えて印象的。
また、ラストでのセット転換にははっとするものがありました。
赤と黒のコントラストも印象的で美にこだわっていると感じる舞台。
悲劇ながらもくすっと笑わせるところもあって非常に見ごたえのある2時間10分でありました。