日曜日マチネ「bare」。
初演の時は評判を聞くにつれて観たいなと思い、ちょうど上京することがあったので観られないかと思ったら行ける日は既に完売。
なので、再演があるということで観たいと思っていたらまさかの一和さんIN。
情報解禁はバースデーティーパーティーの日でした。
それから半年、やっと観られました。




 

場所はシアターサンモール。
スタジオライフの公演でしか行ったことがないサンモール(笑)。
なので、すごく違和感。
もぎりが普通のスタッフさんだし、物販にやぎやぎがいない(いませんw)。
ロビーは写真撮影OKだし(ライフでは物販写真が壁に貼り出されているからか撮影禁止)。
普段四季劇場でお会いする方々とばったりなのも違和感(お会い出来て嬉しかったけど違和感w)。

いつもグッズの見本が置いているところががらんとしてて壁にはキャスト写真(サイン入り)とキャストボードが貼られていました。




光っているし、切れているし、斜めっているし。




アップにしてみました(笑)。





しかし、久しぶりにキャスボ撮影でテンション上がったわw

思春期の少年少女、同性愛などテーマが「春のめざめ」にかぶるところ多いですが、観終わった直後は「春のめざめ」の方が好きだなと思った。
今でも実はそう。
しかし、時間が経つにつれてじわじわくる。
めざめは直後にストレートにがつんときたのですが、bareは変化球なのか(よくわからんたとえ)。
めざめの場合は普遍的で日本人でも感情移入できる部分が多かったのですが、bareの場合はやはりキリスト教の倫理観を理解できていないとぴんとこない部分がある点に違いがあるからかと思います。
「赦し」とは何か、なぜジェイソンがそこまで同性愛者であることをさらされることに恐れるのかというところが頭でなく心でわからないと難しい。

思ったより重く感じなかったの(ラストは重いけど)は楽曲にあるかもしれません。
それぞれのキャラが立っていて非常に良く出来ていたけど、思春期の葛藤がめざめの方がより感じられました。

「bare」・・・さらけだすというテーマでありながら実はみんなさらけだせていない、さらけだせない子供たちとそして大人たちの話でもあるように思います。
この中でいちばんさらけ出せていたのがピーターであるため、いちばん感情移入できた。
なのでいちばん印象に残ったのは田村ピーター。
ソロも実はジェイソンより多いですよね?

ん、違う?
前回観た「Violet」の時よりも音域があっているのもあり、聴きごたえある歌声。
そしてジェイソンに、クレアママに、神父にと自分たちの関係、自分のことをさらけだそうとするも否定され拒否されもがく姿が胸刺さる。
それでも誰よりもいちばん強さを持っている人なんだと感じました。
ジェイソンを救うことができなかった神父に「赦す」と言える強さ。

そして谷口ナディア。

表では三の線でおちゃらけているけれども、親は出来のいい兄のことばかり、周りからは太っているというだけで認められないという葛藤を抱えているのが印象的でした。
周りに誰もいなくなってしまった兄ジェイソンを1人温かく見守る強さも。
歌声もさすがの迫力でした。

主役のジェイソンとアイヴィはある意味自業自得と思ってしまい、やはり主人公に感情移入できないのがめざめとの違いなのかも。
しかし、鯨井ジェイソンは色気があった。
そりゃクラスの人気者だろう、なのでそこから崩れ落ちるところが落差あって良かった。
ピーターとのいちゃいちゃがもう本当にいちゃいちゃで実にエロい(笑)。
いちばん印象に残ったのは、ピーターがママに告白すると言い出すシーンで、自分の人生台無しになってしまうじゃないかとさらけだしたところかな。
ジェイソンの最後の行動は確信的なものだったのか、偶然だったのか。
演出の意図としては確信的なものだったように思うが、それまでの積み重ねからしてどちらともとれるような感じだった。
岡田ジェイソンも観たかったよー。

皆本アイヴィはトーク動画で見た時のゆるふわぶりとは全く違うビッチぶり(笑)。
ビッチながらも無垢な部分が垣間見える、なんとも不思議な雰囲気を持った女優さんだなと思いました。
映像よりも生で観た時の方が魅力的。
アイヴィの慟哭帯びた歌声がまた良かった。
他の舞台でも観てみたいなと思いました。

大人たちはTVドラマでの印象しかないので秋本さんが歌える人だとは知らなかった(笑)。
ママも辛いよね、うん。
シスターの入絵さんはこの舞台上での唯一の救い。
コミカルさで場を和ませ、そしてピーターを優しく包む包容力が素敵でした。
歌声も迫力ありましたしね。
ピーターにとってのシスターのような存在がジェイソンにはいなかったのが(ピーターが傍にいたのに)悲劇なのか。
そして、最後の「赦し」の場面が大きいと思うので神父さんにはもう少し重厚感が欲しいと感じました。
川崎さんが軽いというわけではないのですが、神父の葛藤がもう少し感じられたらなと思うのですよ。

さて、ラスト一和マット。

かーわーいーいんですけどーーーー(テンション違いすぎ)。

役柄を知って、皮肉屋っぽく演じるかと想像していましたが、アイヴィへの想いをストレートに演じていたのが意外でした。
マット可哀想やん、めっちゃ可哀想やん(だからテンション違いすぎ)。
アイヴィがジェイソンに惹かれるまでは、結構アイヴィといちゃいちゃ仲良くしてたのに。
みんな集まっているシーンでは他の人が喋っている時はこそこそおしゃべりしていたり、ネクタイ直してもらったり、かーわーいーい♪
また、2人とも西洋人っぽいルックスだからお似合いなんだよー、なぜマットを選ばないのかアイヴィに正座で説教したいくらいだわ(笑)。
パーティーでジェイソンと踊るというアイヴィに僕は?僕は?と迫るも「後でね」と言われるマット。
かったおもいはせっつなーいー♪(演目違う)。
何度も迫るのでしつこいと拒否されてしゅんなのも可愛い、ああ可愛い。
常にアイヴィを見つめているのに最後はビンタされる、ああ可哀想。
そういえばこんなに報われない役は初めて観たかも(笑)。

歌は思ったよりソロパートがありました。
やはりいちばん印象的なのは製作発表動画でも歌っていた「Are you there?」(祈り)。
製作発表の時と同じ田村ピーターとのハーモニーは本当に響きが綺麗でうっとりしました。
「Violet」の時もそうでしたがこの二人の歌の相性がいい。
マットが「待つしかないか」と歌っているのに対して、ピーターは「たたかうしかないか」と歌っているのが2人の性格をよく表しているなと思う。
イチラスの「One」では2階センターで十字架バックに歌っているのでなぜかラスボス感(笑)。
かっこよかったー。
だからなぜアイヴィは・・・(以下略)。
アイヴィとのデュエットも優しく包み込むような歌声が本当に素敵でした。
だからなぜ・・・(もうええちゅうねん)。

というわけでとても丁寧にアイヴィへの想い、ジェイソンへのコンプレックスを演じていて歌も演技も安定感ありました。
贔屓目なくさすが元四季という看板背負っているだけのものを見せてくれたと思います。
歌声もだけど、台詞の聞き取りやすさはさすが。
あえて難をいえば安定しすぎているところかな、もう少しいっちーならではの色が欲しいと思った。
その点において染谷さんのマットも観てみたかったな。

カテコでは下手端でペッパーポジションではないかーいと思いましたね(笑)、
お手振りもああいっちーだなあってお手振りでああ可愛い(なんだ、この締め)。

楽曲がいいのでCD欲しいです。

ちなみに終演後、演出家の原田先生をお見かけしました。
先生が演るなら・・・ジェイソンかなあ。