「トーマの心臓」「訪問者」「湖畔にて」の萩尾望都作品連鎖公演楽週の土日に行ってきました。
「湖畔にて」は観ることができませんでしたが(以前のイベントで観たことはありますがキャストは違う)、「トーマの心臓」「訪問者」「トーマの心臓」とサンドイッチ状態でマチソワマチ。
「トーマの心臓」からこの劇団の作品を観ることになった私にとっては特別な作品であり、できればもっと観たかったのですが色々都合つかず。
しかし、集中して観ることができたので概ね満足です。

かなり効率のいい見方はできたと思います。

ぶっちゃけ千秋楽はどちらも最前だったので(終わったからこっそりw)。

ではまず「訪問者」から。
「トーマの心臓」の前日譚。
主要登場人物であるオスカーの幼年期からシュロッターベッツへたどり着くまでの話です。
あらすじは有名な作品なので略(笑)。
グスタフがヘラを殺してからの放浪の旅、ロードムービー形式で美しいドイツの景色が直截的に描かれてないが目に浮かぶようでした。
ハイネの「美しい5月に」がとても好きなのですが時折引用されていたり、梨の花の白さがとても印象的。

家族が家族になれなかった話、「トーマ~」と違って普遍的な話であるためまだわかりやすい。
登場人物の誰に思い入れるかによって見方が変わってくるのではないかなと思います。
たくさん登場人物(まあ皆さん色んな役やってましたねw)がいますが、メインはオスカー・グスタフ・ヘラの3人のみというのもシンプル。
なので3人の感想から。

久保オスカー。
ひたすら愛を求め続ける姿、いい子でいなければという姿が痛々しい。
グスタフに何度も放置されていても「シュミットがいるから。僕はともかく」の「ともかく」など本当に刺さる。
ずっと抑えつづけていたが、グスタフが本当に離れる決意を示した時にぶつかっていくところがいちばん泣けた。
この子はずっとずっと我慢してたんだなあって。
久保くんはやはり感性がとびぬけていい。
この年代だからこそ出来る役であり、体当たりでぶつかっている(本人曰く絞り出して絞り出した)のがものすごく伝わってきました。
グスタフとヘラが大人になりきれなかったこそ大人にならざるを得なかったのが切ない。

楢原グスタフ。
彼の人生は凍った海から始まり、凍った海で終わったのではないかと感じた。
トーマスが死んだ時から時が止まっていた、幸せを掴むことからずっと逃げていたのではないかと思う。
自分が幸せになったらいけないというのが常に心の奥にある感じ。
「雪の上に足跡を残して神さまがきた」から始まるお話と氷が割れる音がとても印象的でした。
彼は常に何かに裁かれたかったのかな。
不器用な愛の表現、淡々とした枯れ具合がさすが。
最後にぎゅっとオスカーを抱擁した時、最初で最後の愛情表現であり、これが永遠の別れになるんだと思うとつらかった。

青木ヘラ。
数時間前に観たイグーとのギャップに戸惑う(笑)。
女の自分が観てもどきどきするくらいの美貌と色香漂う女っぷり。
彼の演じる母役は、母でなくて女であるというのが共通している気がする。
オスカーに愛情がないわけではないけれども、彼女にとってはグスタフが全てだったというのが伝わってきた。

オスカーが旅の最後にたどり着くのがシュロッターベッツ。
実の父親であるミュラーとの出会い(このミュラーをトーマではオスカー役の笠原さんが演じているのが連鎖公演ならでは)、 そして南国の太陽のような、というより暖かくて優しい木漏れ日の様なユーリとの出会い。
ここでオスカーだけでなく観ている方も救われる。
「大丈夫だよ、オスカー。すぐ馴染むよ」の言い方がとても優しくて癒される。

眩しすぎる。
芳樹さんは唯一トーマと訪問者両方で同じ役だったのですが、トーマの時よりも少しまだ幼さが残っている部分をきっちり演じ分けていてさすが。
オスカーはこのユーリに出会うために長い長い旅を続けていたんだと思わせる、締めが見事でした。
その前に出てきた人たちが同じ人だなんて・・・信じない(笑)。

というわけで芳樹さん裏役レポ(笑)。
いや、想定していたよりは普通だった、普通におかしかったw
まずはヘラの死後形見分けにやってきたヘラの姉2人と姪。
姪のヨハンナちゃんを演っていましたが、

か・・可愛い。

カチューシャがまた似合っていて可愛い。

ほわんほわんとしながらアクセサリーで遊んでいるの可愛い。
「こんな人を選ぶんじゃありませんよ」と言われて「はーーい」と間延びした返事が可愛い。
そしてとにかく華奢で本当に女の子のよう。
無駄に手を動かしているのはシャールさんぽかったが(笑)。

それから2人が旅の途中で出会う、大きな荷物を持ったおばさん。
この役要るの?と少々(いや多々)思ったが面白かったのでよい。
ジェスチャーだけで笑わせるのは無声映画っぽい。

そしてワイン祭りの娘!!

衣装がめっちゃ可愛くてまたおさげ頭がめーっちゃ可愛い。
可愛いのにワイン飲んで吐きまくっているwww
「もうあんた何やってるのよー」って叩いたのは関戸村娘?
そしてセンターを譲らない美少女村娘が楽しそうに踊る姿を真正面で観た私www
周りも美少女ばかりなのに動きがまたおかしすぎてセンターから目が離せない。
ワイン祭りだけでももう1回観たいよ。
本編は正直もう1回観るのはつらい・・・。

他、気になったのは女子が可愛すぎて♪
関戸ニーナもピンクのドレスがかなーりきついけど(笑)、本当に愛らしい。
なんかキャラが花沢さんぽかった(笑)。
江口くんの看護師も可愛いし、澤井くんや若林くんのおかみも可愛い。
若林おかみが亭主を尻にしいているところも。
そして田中エンゲリーカの可愛さといったら!
写真も可愛かったけれど生はもっと可愛かったー。
ほのかにオスカーに恋心があってでもお姉さんっぽくふるまってるところがとても可愛い。
ワンピースのデザインも可愛かったです。
何気に衣装はどれも可愛い。
そして、確かに仲原さんのおかみはチーママぽかった(笑)。
クラブというよりスナック。

千秋楽でしたので舞台挨拶あり。
いちばん印象に残っているのはやはり久保くん。
出し切ったんだろうというのがものすごく伝わってきて最後に
「このことは一生忘れません・・・多分」
で、みんな大爆笑。
「多分って・・・」と石飛さん崩れ落ちてた(とびさんの笑いの沸点は低いけれどw)。
この日はトリプルコールで最後にスタオべでした。
藤原さんが、「明日も当日券いっぱい用意しています」には用意できるのか?とばかりにみんな笑ってました。
そして「できましたら席1つに2人座っていただければ・・・」www

そして翌日は本当にそんな勢いだったのですが続きはまた今度(笑)。