土曜日はマチネScribeソワレGluck。
笠原エリック→松本エリックのPART2からPART1遡り公演。
これでやっと4チーム制覇です。
当たり前ながら主役が変わると色合いが全然違うように感じました。
端的に言えば(ちょっと乱暴だが)「陽」と「陰」でしょうか。
「陽」といっても決して明るいだけではなく、「陰」といっても決して暗いだけではないですけれども。
「陰を含む陽」と「陽を含む陰」かな。
まずはマチネの笠原エリックから。
初演はPART1とPART2の上演期間が違っていたけれど、今回同時期に笠原さんはエリックとジョヴァンニを演じています。
だからか特にペルシャ編では既に大人でものすごく包容力を感じた。
つまりはジョヴァンニさんが入ってた(笑)。
オペラ座編に入るとエリックの痛み・哀しみが伝わってきたのですが、 ペルシャ編ではそのまま普通に生きて行けそうって感じました。
そして松本子エリックとのつながりが笠原エリックとの方がスムーズ。
芳樹さん大人エリックの時に回想で出てくる松本子エリックがどうにも違和感があったもので。
回想も芳樹さんがやれればいちばんいいのだけど、分身の術使わないと無理だし(笑)。
「大いなる遺産」の子ピップ・ピップと同じく、松本さんのエリックが成長したら笠原さんのエリックになるんだろうなというのがしっくりきました。
オペラ座の怪人になってからはとにかく色気満載でかっこいい。
まさしく理想的なファントム。
それでいて時々少年の顔が垣間見えるところがたまらない、こりゃもてるよ(笑)。
芳樹さんのエリックが欲しているものと笠原さんのエリックが欲しているものがどちらも「愛」なのは間違いないんですが、微妙に違う感じ。
笠原さんのエリックの方がより人間の愛を求めているような感じがしました。
色んなところで評されているけれども、芳樹さんのエリックは子供が大人になったエリック、笠原さんのエリックは大人だけど子供な部分が残っているエリックというのが違いなのかな。
そしてソワレの松本エリック。
これも遡りではなく順番に観たかったなあ。
笠原さんのエリックもそうなんだけど、奇形でさえなければ幸せに暮らせただろうなと思わせるエリックでした。
ちなみに芳樹さんのエリックは奇形でなくてもあの気質ととびぬけた才能故にねじれそうと思わせる(これは初演の印象と同じ)。
感情をストレートに表現していて屈託ないのでエリックに感情移入しやすいと思います。
素直に「可哀想」と思える。
ちなみに芳樹さんのエリックには「哀れ」を感じても「可哀想」という感情をおこさせないものがあるので。
あと、芳樹さんと違うエリックを作り上げようという気概をものすごく感じた。
これまでもWキャストが多いですが今回いちばんそれを強く感じました。
元々個性が全然違うから同じには絶対ならないのですが、動きが全然違っていて新鮮でした。
マドレーヌとバリーの会話を寝たふりして聞いているシーン、ユリの花に歌わせるシーンなどなど。
DVD観たら細かいところわかるかなあ、DVDはよー(笑)。
で、裏役感想。
PART2はほとんど働いていないですもんね(おい)。
笠原さんが「よっちゃんとWだと裏はあまり働かなくていい」とおっしゃるくらいですから(笑)。
いや、裏の転換とかでは頑張ってるのかもしれないよー(よくわからんけどとりあえずフォロー)。
いちばんわかりやすいブローニュの森の酔っ払いもそれほど(本人比)遊んでいないですもんね。
PART1はなんといってもジプシーダンサーでしょ!
これが楽しみで楽しみで。
いやあ、本人楽しそうに踊ってました。
手を叩くタイミングが他の人より遅れているのは独自路線なのか単に間違えているだけなのか(後者だろうw)。
なんとも艶めかしく踊っていて素敵でございました♪
そしてミヤとオルカの同期コンビが可愛すぎる。
子供にしか見えん。
あの2人20年選手ですよ(笑)!
檻に入れられているエリックを棒でつんつんするところは本当に生き生きとしていてただの悪がきにしか見えん。
可愛すぎる(大事なことは2回)。
見世物小屋の観客でエリックを観て泣いちゃう子供役もまた可愛い。怖い(笑)。
PART1の最初と最後の大人エリックは芳樹さんの時は曽世さん、松本さんの時は笠原さんですよね。
で、カテコの時曽世さんは民衆の衣装なのですが、笠原さんは大人エリックのままなのは何か意図があるのかな。
笠原さんは実際大人エリックを演じるということがわかっているけれども、あくまでもここでは影エリックなので曽世さんが大人エリックのままで出てくるのはまずいということなのかな。
着替えるの大変だなあって思った次第(笑)。