「トーマの心臓」を観て以来すっかりはまってしまい、
今、「Studio Life」のDVDを観て楽しんでいる日々です(笑)。
あまりにも観られるものが多すぎるのもおサイフが・・・四季は輸入物はほとんど映像化されていないですから。
そして絶対お勧めと言われていてずっと観てみたかった「PHANTOM」が再販されて即ぽちっ。
これも思った以上にはまった。そして感想文を書いてみようと思ってしまった(笑)。
美術と映像がレミゼ25周年演出のマット・キンリーということで今まで観た中でいちばん豪華(笑)。
映像はそんなに多用しなくていい派なのですがセットは重厚で見ごたえあります。
あとは衣装が豪華だ(笑)!メイクも綺麗なので女性役が本当に綺麗。
ファントムものは映画や舞台で違うバージョンを色々観ていますが
やっぱり四季版というかALW版の「オペラ座の怪人」がいちばん好きです。
でもこの「ファントム」は今まで観た別バージョンの中でいちばん好きになりました。
前後編×2バージョン。1枚当たり約3時間なので全部観ると12時間。半日やん(笑)。
後編は「オペラ座の怪人」とリンクするようになって違いがやはり気になるので前編が断然好きです。
役者のエネルギーも前編の方が強く感じた。
なんといっても主役の両エリックのエネルギーがすごかったです。
観終わった後色んな気を吸い取られたもん(笑)。
そして主役が変わることにより、これほど全く違った舞台を観ている感覚になったことは今までなかったかもしれない。
エリックに感情移入しやすいのは林さんの方。
こちらの方が正統派で観ていてダイレクトに悲哀が伝わる。
エリックそのものである林さんに対して、芳樹さんは芳樹さんのエリックだったように思う。
観ている感覚としては林さんチームは中から観るという感じで芳樹さんチームは外から観るという感じ。
ゆがんだ狂った世界を外から眺めているうちに観ている方が巻き込まれるという感じが芳樹さんチームの方で、林さんチームの方は中に入り込むという感覚を味わった。
両エリックはどちらも孤独なのだが孤独の質が違っていて林エリックは奇形であるが故の孤独、芳樹エリックは天才であるが故の孤独。
前編は1章ごとにエリック対誰かという2人芝居を観ているようでした。
1章は母マドレーヌ、2章はジャベール、3章はジョヴァンニ。
この組み合わせが絶妙だった。逆の組み合わせが想像つかないくらい。
特にマドレーヌはこの組み合わせでないとという程絶妙だった。
で、章ごとにさくっと。
【第一章 産み落とし者】
エリック4歳から12歳まで。
某「香蘭この時まだ7歳♪」より下の4歳からですよ(笑)。
林さんの完璧な子供を観ると、子供役は芳樹さんには無理があるとは思いますが(体型は少年体型だけどしゃべるとね)、青木マドレーヌとのがっつり組んだ芝居が面白かった。
なんというか2人がぶつかりあう、不協和音が響くような狂った世界に惹きこまれた。
そしてマドレーヌがだんだん正気を失って、エリックに支配されていく様がいい。
「おかあさん」というセリフ一つがあんなに怖いとは。
二人の芝居の相性いいよね。
青木さんはリアルな女を演じるのがうまいなと思う、女のいやらしさと可愛さを表現するのがうまい。
だんだんエリックへの愛情を認識していくのだがどちらかというと母としての愛情というより官能的なものに惹かれる女としての愛情を感じた。
それに対して及川さんのマドレーヌは最初からお母さんだったように思う。
母として愛したいのに愛せないという苦しみを感じた。
だから、林さんとの方が合っていたように思います。
誕生日の「二つ欲しいんだ」のシーンは林さんの方がぐっときた。
最後の「僕を忘れてください」という独白は芳樹さんの方がぐっとくる。
【第二章 産み落とされし者】
エリック12歳から15歳まで。
ジプシーたちの見世物小屋で興行師ジャベールに見世物として支配されている。
このジャベールがどちらもいい、
堀川さんのジャベールがどSで牧島さんのジャベールが変態(笑)。
エリックを襲うところは牧島ジャベールは性欲に駆られてだが、堀川ジャベールは征服欲の方が強くてそれぞれ面白い。
堀川さんのセリフ回しがなかなか心地よくて他の役も観たいと思う程だったので休団されたのが惜しいな。
姿形がどんなに恐ろしいかということを特殊メイクではなく、他の登場人物に顔を見せる時は後ろを向いて観客には見せないという手法は観客に「どんな恐ろしい姿形なのだろう」と想像させるのに効果的。
そして、檻をぐるぐる回していてもエリックの顔が見えないようにする方法が林さんはうつぶせになっていて見せないようにしているのだが、芳樹さんは檻がくるくる位置を変えるたびに自分もくるくる移動して徹底的に顔を見せないようにするテクニックがとても自然ですごい。
また、この檻のフォルムが美しいのです。
この章は動きの美しさにも見惚れるのですが、ユリの花を歌わせて最後に仮面を外して照明が消えるという流れが本当に美しくて美しくて♪
そしてジプシーダンスは裏エリックがセンターなのですが、両方ともまた違った艶めかしさがあって両方リピートしてます(笑)。
林さんの方は振りに忠実で芳樹さんはアレンジ入っている印象。
もうくねり具合がたまらなく色っぽい。
あっマツシンはもっとダンス頑張ろう(笑)。
あとは裏エリックと組んでいる相手が裏ジャベールなので牧島さんの踊れてなさに癒されるw
一瞬アップになる及川さんの美しさといったらなんとも。そりゃここアップにしておきたいよね。
ちなみに裏エリックのお母ちゃんも肝っ玉ぶりが両方好きです(笑)。
そして声を大にして言いたい(なぜ大にして言うのか)のは堀川ジャベールにシャツ脱がされた時の芳樹エリックの腹の割れ具合について。
いつそんなに鍛えたのだ(笑)?
思い出すと、ユーリがお着替えする時に腹筋を全く見せないテクニックはすごかったなあ。
【第三章 死に逝く者】
エリック15歳から17歳。
原作読んでないのでなぜイタリアにたどりついたのかよくわからない(笑)。
第一章と第二章で一幕でここから二幕だったみたいですね。
一幕でピリピリとした緊張感で体力使い果たしそうなのですが、二幕は優しいパートなので意外とあっさり。
ジョヴァンニは笠原さん、エティエンヌは曽世さんの方が好きです。
やっぱり曽世さんの方が若いんだなと思った(笑)。
笠原さんのジョヴァンニは円熟味あって大人の包容力があってよかったです。
でも芳樹さんのエリックには曽世さんのジョヴァンニの方があってた。
「いい子だ、誰が何と言おうともお前はいい子なんだよ」というセリフはズルいよね、泣かせる。
早くこの人に出会えたらもっと幸せになっていたかもしれないのに。
そしてなんといっても無邪気なくらい残酷な少女がぴったりだったマツシンが強烈な印象を残しました。
衣装もメイクも可愛くて本当に女の子みたい。
でもこの観ていていらっとさせるところが何ともうまい。
関係ないけどマツシンの「パパ~」という言い方が好きです(笑)。
ただ、あの墜落シーンの映像はちょっとなあ。
どうやらこの部分かなり力入れて作られたらしいのですがうーむ。
そこに至るまでの緊張感は良かったのに。
ラストの「クリスティーヌ」というささやきがたまらなく素敵だ。
そしてカテコですよ!カテコ!今までずーっと顔を見せてなかったので
カテコで仮面をパッとはずして初めて顔を見せるため、
芳樹さんの美しさが倍増(笑)。
もうね、これ生で観たらきゃああああああもんですわ。
また走りこんで登場する身のこなしも美しいのですが、「じゃん」という音に合わせて仮面を外すさまが本当に絵になる美しさでたまらないですわ。
結局感想というかただの萌え感想になって終わる。
多分観ていない人にとってはあらすじがさっぱりわからない感想(いつものこと)。
To be Continued(続きはいつ書けるかどうか未定)。