初演から話題になってて気にはなっていた作品。
大阪でも公演があるからということで、
遠征しなくてもええやんと思ったら平日1日のみ。
平日勤め人ににはソワレしか選択肢がない!

そんなわけでマチネは新納さん・万里生くんペアでしたが、
ソワレは松下くん・柿澤くんペア。

あらすじはざっくりとは知っていました。
ネタバレ見ないようにはしてましたが、どんでん返しがあるというので
ラストは大体よめてしまった。
わかったのは、「彼」が「完璧だ」と言った後に、
「私」が「ああ、完璧だ」とつぶやいたところ。
あれでどう話が転がるかはよめた。
だからミステリ的なスリルはなかったけれど、
私と彼の究極の愛という部分においてはぞくっときましたね。

前半は正直話に乗りきれませんでした。
いや、退屈はしてなかったんだけど、セリフが作り物っぽくて。
でも後半からすごく良かった。そして前半が作り物っぽく感じたのは、
お互いがお互いに対する気持ちを隠して演じていたからかな、
それこそゲームのような感じだったのかなとも思うくらい。
取調室でお互いの感情が爆発するところとか迫力あって
今も「きゅーじゅきゅーねん♪」が頭から離れません。

演者2人+ピアノの100分ノンストップ、あまりにも濃密で
終わってから息苦しくなった(笑)。
2人芝居でしたがピアノを含めると3人芝居に感じました。
ピアノの不協和音が二人の不安定さを表現していてそれも
また良かったと思います。

「私」役の松下くんは初見。
間合いが絶妙で演技がナチュラル。
53歳と19歳の演じ分けも見事でした。
おそらく役によっていろんな色を見せられるタイプだろうなと
思いました。カメレオンのように。

「彼」役の柿澤くんは「カフカ」に続いて2回目。
歌も演技もうまいんですけど、私の好みからするともう少し
何かひっかかるものというかあくが欲しい。
すごくさらりとしていて流れちゃう、カフカでも感じたのですが
水のような人だなと感じました。
前半のりきれなかったのは、なぜ「私」がそこまで「彼」に執着するのか、
抗えないほどの魅力が感じられなかったから。
ただ、後半立場が逆転して弱さを見せるところ、感情を爆発するところは
ぐっときた。この弱さを含めて「私」は「彼」を愛していたんだろうなと
感じるくらい。
そしてここで私は彼のメルヒを観てみたかったなと改めて思いました。

終演後は2人+万里生くんでの
アフタートークショーのおまけつき。
「2人が衣装(スーツ)だと思ったので」と
少しきっちり目の服を着てきた万里生くんに
対してラフすぎる2人(笑)。
特に松下くんはハーパンにビーサンでどこの海に来た小学生ですか?
という格好でした。
トークもかなりラフ。数分前では緊張感たっぷりだったのに、
ギャップが(笑)。
内容はこの演目について、演出についてなど。
上手から松下くん、柿澤くん、万里生くんという並びなのでたいていの質問には
松下くんが最初にふられるのですが、時々柿澤くんからふられて「俺??」と
すっとんきょうな声出すのがおかしかったです。
そして彼、他の人がしゃべっている時にも茶々入れすぎ(笑)。
ギャップが・・・

終わってからこの作品マチソワ無理って思ってましたが、
帰ってきてからじわじわきてまた観たいと思った。
どうやら次の再演ではトークショーでの口ぶりからして
大阪公演なさそうなんですよね。
まさか遠征(笑)?

そしてこれは色んなキャストで観てみたいとも思いました。
それぞれ違う解釈ができそうでそこが面白そうです。