久々、読み返しました、
『西の魔女が死んだ』(梨木香歩、新潮社、1994年)。

自然の描写、鮮やかに物語が広がっていく

中学生くらいの時に読んだことがありましたが、本
書店で見かける機会が多く、
改めて、表紙のデザインが絶妙だな~綺麗だな~と惹かれる部分があり、
もう一度読んでみようと思い図書館で借りてきました。
読み終わった今も、改めて美しいと感じるブックデザイン。
表紙、内容丸ごと、今までの好きな本のベスト5には入ります。

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『おばあちゃん』の家とその自然の描写についての鮮やかさ、霧
自然とその世界に引き込まれ、土や花、木の香りが漂って包んでくる気さえします。

同じ本でも自分の状態がちがうと
感じるものも違うのですね。。!
中学生の頃と今(大学院生)では琴線に触れる言葉もちがうように思います。
何だか心に染み入る言葉がたくさんちりばめられていた。。にじ

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ある思春期の女の子がある意味で現実からの逃避と整理のために
おばあちゃんの家で過ごした期間が主題です。

その女の子の姿からから、自分が小さい頃抱いていた『死』についての印象を思い起こされた。
今も『死』は未知のものではあるけれど、
あの頃はもっと何だか、
ものすごい巨大な恐怖をまとった得体のしれない暗闇のように感じていた気がする。
死んだらどうなるのかということへの想像力が今よりも身近にあった気がします。

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また、あの頃とはまた違う感覚で心に残ったのが アンぱんまん
『疑惑と憎悪』といった『動揺』に対してどのように対処するのかということ。

これが著書では一つの『魔女修行』として書かれているのだけれど、
こうした心に波紋を起こす感情について振り回されずに、どううまく付き合って行くのか。

私が私らしくあるために、
時にそういった感情、外部からの刺激に反応しないことでとても大切なことだと思う。

ただ、外部からの刺激に反応しないと言っても
自分の思うことが全て真実だと思うことは、また違う。
この塩梅をうまく対象化して、
時に自分を自分の外側から見つめ直す時間が必要なんだと思った。
それも、あふれる自然、森の中で
心まで澄み渡るような、
美味しい空気を深く吸い込んで。

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「自分で考え自分で決める」「その人の持つ素質を伸ばす」魔女修行。
生活の知恵や基本についての精髄が、
おばあちゃんの生き様と家と自然、
所々で輝いている。
この修行は誰でも始めることができるから、
ちょっこし、tryしてみようかりんご