男女の関係において私が最も大切にしていることは
距離感である

 基本的に子供の頃からどちらかと言えば
群には属さず、単独行動を取る事が多かった
 
 両親は幼い頃に母が蒸発するという形で離婚しており、
父も母がいなくなってから1年も経たないうちに
再婚して新たな家庭を作り、2歳離れた妹と私は
田舎の祖父祖母宅に預けられて育った
 父母の存在を強く求めた時期もあったかも
知れないが求めれば求める程、遠くなる存在になっていった為
いつからか"求めなく"なっていた
ある種の防衛本能であったのだと思う

 大人になってそれなりに恋愛も経験して結婚もしたのだが、
そもそも理想の家庭像というのが私の中で抽象的なもので
具体性を帯びたものでは無かったので結婚願望が皆無であった
 刹那的な恋愛をして相手に寄り添うということができず
その一瞬一瞬での情熱を糧に飢えた愛情だけを求めて
結局充たされる事が無く、いつも心のどこかに虚無感を
抱えて生きていた
 相手を所有したいと思えば思うほど心は離れて
いくし、そう思いながら一緒にいたとしても
近くにいるのに遠い存在になってしまうという事を悟った
 
 自分はこんなに愛して尽くしているのだから
愛されて当然だという考えは単なるエゴであり
愛す、愛さないは相手の勝手
 結婚という形で関係性が揺るぎ無いものになったとしても
そこに胡座をかいてぞんざいにならないこと
 男女が男女として意識し続ける為にもやはり距離感は
大切にしたいものである