梅雨明け後、晴天が続き、これからいよいよ夏の一番暑い時期に向かいます。

 暑い夏を乗り切るため、土用と食事について、かつての暮らしの様子を取り上げます。

 

 「土用と食事」

 立春・立夏・立秋・立冬の、各季の前の18日間を土用というが、一般には立秋前の夏の土用をさす。

 入梅から梅雨が長く続いて、明けると土用になる。

 七月二十七、八日から本格的な夏の到来である。

 サルスベリの花が咲き、セミが鳴き始めると、夏が来たと実感する。

 この時期、夏の気の最も盛んな時とされ、特に土用の丑の日(今年は七月二十八日)は、

鰻(うなぎ)を食べると夏負けしない、などといわれている。

 しかし以前は、二居などの山里の村では、鰻などは容易に手にすることはできなかった。

 この時期、湯沢方面から売りに来るドジョウを買って、生きたドジョウを小さな籠に入れて、

グラグラ煮立ったお汁の中に入れる。

 これに牛蒡のササガキなどを加えて柳川鍋を作り、鰻の代用として食膳に乗せた。

 田中(地区)などでは、同様にジャガイモ・ネギ・豆腐を入れた熱い鯨汁(くじらじる)を作って

汗をかきながら食べた。

 また、谷後(地区)などでは、土用の丑の日は、湯を立てて入る日とされた。

 浅貝(地区)では、土用の丑の日に、清津川の河原の熱く焼けた石で手を撫(な)でると、

霜焼けにならないといった。

 なお、田の水を抜いて田の土を固くすることを土用干しという。

 

                           ~ 湯沢町史 双書8「人の越後」より引用 ~

 

 

 当館の四季の民俗コーナー(夏のコーナーにて壁掛け)に展示してあります。

 うなぎとり用のかご。

 左に並べてある「はけご」(腰につけ、捕れた魚を入れるかご)に比べて、

うなぎとり用のかごがいかに長いか、ご覧いただけます。