Snow Pray

Snow Pray

つたない物語を書いています。

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「―――ね、カイン。どう思う?」
 
 
あたしは真剣な顔で、振り返った。
 
飛び去っていった、一人と一頭。
瘴気を増幅させることで瘴獣を産み出し、使役する、見たこともない危険な術。
数日に何度も襲われた、街。
 
シルヴィオたちは、きっとあちこちで同じことをするつもりなんだろう。
もしかしたら、今にもっととんでもないことをしでかすかもしれない。

「たぶん、お前が考えてることと、同じことを思ってるぜ」
 
やれやれ、といった顔で、カインは苦笑してみせた。
 
「どうやら、俺らの縁は、もうしばらく続くみたいだな」
 
あたしは目一杯の笑顔で頷いた。
 
「うん! だって、あんなこと言われて、ほっとけるはずないもん。
それに、いかにもとんでもないことになりそうなのに、一人でなんて絶対無理!」
 
「同感だ。騎士団にも改めて連絡はしておくが、
おそらくあいつらは他の国でも騒動を起こしてくれそうだ。
となれば、俺らが出来る限り動いて、少しでも被害を少なくするべきだろう」
 
「というワケで、改めてよろしくね、カイン!」
 
差し出した手を、カインも笑顔で握ってくれる。
 
「おう、こちらこそな。
―――さて、方針はそれとしてだ。
問題は、まずどこへいってどうするべきか、だな」
 
相手がどこに現れるかがわからない以上、目的地も絞れない。
 
でも、あたしには頼れる心当たりがあった。
 
「ユクレシアへ行こう!」
 
ユクレシア地方。
かつてユクレシア王国として栄えた地域で、今はいくつかの小国に分かれている地域だ。
 
「ユクレシア? ここからだと結構遠いぞ。馬と船で、一ヶ月ってとこか。
まぁ、大昔に比べりゃ随分早く着くようにはなってるが……」
 
大昔だと数年くらいかかるかもしれない距離。
でも今は魔法の力が随分人々の暮らしに還元されてて、
馬の脚を早くして頑丈にしたり、船も自動で猛スピードで走れるようになっていたりする。
だから一ヶ月で到着出来るんだけど。
それでも、遠いことは、遠い。
 
でもね。
 
「遠路はるばるご足労いただくだけの価値はあると思いますよ、騎士様」
 
にんまり笑ってみせる。
カインはまた苦笑した。

「ま、今の状況だと、目的地を決めるのすら悩むところだからな。
ここは藁にもすがる覚悟で、ひとつ遠出してみるか」
 
「うん。とびっきり頼りになる藁があるから、期待してて」
えっへん、と胸を張って、あたしは意気揚々と歩き始めた。
 
 
 
というワケで、進路変更!
引き返して、ユクレシアへ出発だ!!