9月15、16日の1泊2日で新潟県の某所にあるキャンプ場でキャンプ予定だったのですが、途中でリタイアになってしまったのでそのリタイア記事になります。本音は記事にするのも嫌なのですが、記憶が風化しないように自分への戒めの意味を込めての記録になります。(皆様には反面教師的な感じで、自分はならないでおこう的な意味で見てやってください)
因みにキャンプ場にも到着していないので今回のタイトルには新潟方面としました。
今回の新潟キャンプを計画した際、オール下道の過酷プランを考えたのですが、都内の移動に時間を要する、疲労するのは避けたい、と言う事で初めてツーリングプランの割引を使う事しました。今まで耳にはしていたのですが、特定のどこかの地域を周りたいって使い方は考えていなかったので使えないもんだと決めつけていたのですが、都内の煩わしい場所を高速料金のおよそ半額程度でショートカットできる(往復想定で)のであれば十分に利用する価値があるのではとの結論に至りました。とは言え、初めて行く地域には極力下道で一度は行ってみたいと思うのは私だけなのでしょうか?過酷な修行ツーリングになるのは分かりきっている事なのですが、人生一度ぐらいは下道で九州に行ってみようか、北海道に行ってみようか、など思ってしまいます。
今回の出発時間は2時半頃、キャンプ場でそれなりにゆっくり過ごす時間も欲しかったので早朝(深夜)出発にします。
家を出るとムワっと蒸し暑い不快な感じになります、それでも走り出すと夜風が心地よく不快な気分を拭い去ってくれます。車ではあまり気にしていないのですが、基本日が落ちている間は何となくバイクの運転を控えています、視認性が悪くちょっと運転が怖い印象があったので。電車が動いている時間だと町中に人が居て、車も走ってなのですが、夜中の3時だとほぼ車が無く快適に走れます。夜風が涼しく暑くない、至る所に灯りがあるので周りの景色も分かる、昼間はあんなに人が居るのに誰も居ない不思議な街の印象、意外とナイトツーリングも良いのでは、と考えを改めます。
ナビの予定時刻の通り、練馬ICに到着し高速に乗ります。高速に乗っても車やトラックが殆どいない、スノボで夜中に移動する時は車が少ないとは言えそれなりに走っているし、トラックも走っています。流石3連休の最終日、こんな時間から移動する人は居ないよなと思います。埼玉の田舎の方を走っていると時折牛の匂いがしたり、群馬に入って雨の匂いがしたなと思ったら直ぐに小雨が降り出したりと、周りの景色が見えない分匂いに敏感になっていたような気がします。前橋を過ぎて車線が減って暫く走っていると段々と寒くなってきます。標高が上がっていってるのと、朝方の放射冷却、更に小雨が降ったり止んだりだったのでトリプルで体温を奪っていっている感じです。
今回利用したツーリングプラン範囲内の終点『沼田IC』を降ります。降りた瞬間、スノボで訪れるような街の雰囲気ってな印象を持ちましたが、この辺りからゲレンデに近くなっている事に改めて気付きます。5時過ぎ、『すき家 沼田IC店』で朝食を取ることにします。
頼んだのはねぎ玉牛丼、本当はニンニクの芽牛丼が食べたかったのですが終わっていたようです。
少し長めの休憩を取ったら空が明るくなっていました。6時頃、近くのGSで給油。もう暫くは走れるのですが、山の中に入っていくので早めの給油を行います。
次の目的に向けて下道を走っていきます。田舎道ってのもありますが、早朝のため車通りも少なく快適に走らせられるのですが、山が近くになるにつれて小雨が降り始めたので雨具を着ようか悩みます。これぐらいの雨ならギリギリ許容範囲、止まって雨具を着る面倒さ、を天秤にかけながら運転を続けます。しっとり体が濡れて寒くなってきて、ここまでして行く価値のある所なのかと自問自答しながらもようやく到着。
7時前、土合駅に到着、もぐら駅で有名な駅、近くを通るなら一度ぐらいは行っても良いかなと思い今回の目的地として選びました。
中はこんな感じ、ちょっと怖い。
例の階段に通じる道、暗いし、人居ないしで更に怖い。
ここまで来たからにはと、更に奥に進んで例の階段まで。
降りるのも疲れるし、何だか怖いしでここで引き返そうかと思ったのですが、下から一人女性が上がってくるのが見えたので、恐怖心が薄れ下る事に。途中すれ違う時に「おはようございます」の挨拶を、チラ見した感じ、近くのキャンプ場で宿泊している方のようでした。
ホームに降りるとYouTubeで見た事ある景色、寒い。
線路の先が靄がかって異世界感満載、有名なきさらぎ駅とは場所もシチュエーションも全く異なりますがこのような空気感なのかなと勝手に想像を膨らませます。
ここで誰か待ってたらこえーと思った待合室。
一人でおっさん、ホームでキャッキャしていたのを見られていたとの別の意味でも…。
地獄の階段を登りきって地上に生還、外に出ると小雨も止んで晴れていきそうな感じ。土合駅、来てみて良かったなと思います。
次の目的地向けてバイクを走らせます、途中喉が渇いたのと、保冷剤代わりに冷凍麦茶を購入。
下道だと国道17号の三国峠ルート、どんどん登るにつれて気温は下がるわ、小雨は降り始めるわで悪条件の中走ります。たまに対向を走るバイクとすれ違うのですが雨具をしっかりきていて、小雨だからまだ平気でしょと思って新三国トンネルを抜けて新潟に入った途端本降りの雨。『あぁ、だから雨具着ていたのかぁ』と心の中で思って、自分もどこかで雨具を着るか悩みながら走らせていると、少し雨脚が弱まってきたのでこのまま走らせる事にします。
途中、苗場ゲレンデが見えて思わず写真に収めてしまいます。
こんな所にあったのかー!と心の中で叫んでしまいます。やっぱり雪景色でしか見た事ない場所だったので妙な違和感があります。ちなみに苗場ゲレンデは来たことありません。
越後湯沢の駅前を通り、ガーラの前を通り、やっぱり雪が無い違和感を存分に感じます。
ちなみにガーラは一度だけ行ったことがあります。
こんなトンネルの中を通っていきます。
よく見かけるトンネルの中から見える風景。
正直、こんなものかと言った印象です、映え写真を撮るために用意された観光地と言った感じだけでした。写真を撮るスポットとして用意するのは有りなのですが、本当にそれだけなので期待外れ感満載です。
この後は魚沼スカイラインを通って次の目的地向かいます。魚沼スカイライン、センターラインの無い路面の悪い道なのでちょっと思ってたのと違います。10時過ぎ、魚沼展望台に到着。
素晴らしい景色がこちら。
この後、次の目的地に向けて出発したのですが、人生初やらかしをやってしまいます。
『ここで視線を戻さずに』のこのタイミング、いつもだったら運転優先だから絶対にやらない行動を、この時は『運転<虫を払う』の思考になって実行してしまった結果になります。
今になって思うのですが、慢心や心の乱れで引き起こした事故だと思っています。次の目的地に向かう時、ナビをセットするのですが、この時は電波が入らずに目的地をセットすることができないままバイクを走らせていました。私だけの癖なのか分かりませんが、知らない道を走る時ナビを見て次にハンドルを切るのがどちらか、どれぐらいのスピードで進入すれば良いか考えながら運転をしているのですが、その事前情報が無い中での運転だったのでストレスを抱えながらになっていました。
転倒時、あっ、リカバリーできない、このまま突っ込むしかないな、と一瞬の間でしたがこんな事を考えていました。
転倒後は、冷静を装いながら復帰するためにどうするかってことで、取りあえずキルスイッチを入れて、荷台から荷物を取って、車体を起こした後はエンジンかけて一気に駆け上がれるかってな感じでやっていたのですが、1速に入れても全然登れる気配なし。ここからどう登るか悩んでいた時、3人のライダーが通りかかり助けてくれました。
250ccだから一人上から引っ張って、残りは横と下から押し上げたら引き上げられるんじゃね、と指示を出してくれてテキパキと動いて直ぐに復帰できました。その後も怪我無い?エンジンかかる?と確認していただき、フットブレーキが曲がって使えなくてって言うと、これぐらいなら手曲げで応急処置できるから、とやってくれました。
汚れるのも構わずに助けてくれた3人のライダーさん、本当に助かりましたありがとうございます。マジでテンパってて心強かったです。颯爽と去る後ろ姿を最大限の感謝心で見送りました。
引き上げ直後のレブル、草木が絡まり汚れまくっている。
不幸中の幸いと言うか、突っ込んだ場所が草や弦が茂る場所だったため、木にもぶつからず絡まって転倒することができました。スピードも大して出ていなかったのもあると思います。私自自身も切り傷1つも無く正真正銘の無傷、ただ膝のプロテクターとグローブは汚れていたので、もしかしたら擦っていたかもしれないので付けておいて良かったと思います。レブルはフットブレーキの損傷と右ミラーが割れては無いけどくるくる回る状態に、マフラーにも少し擦り傷が付いていますがエンジンは取りあえずかかるのでで素人目に大丈夫かなと思いました。
取りあえずエンジンかかって動く状態なので荷積みを行い移動開始。出発するとフットブレーキの角度が悪いのか効きが悪い、ハンドルブレーキの方は普通に効くので取りあえずは大丈夫そうだけど不安が残る状態。走るとミラーが動くので右ミラーは使い物にならない、さてこの後どうしようかと色んなことを考えながら運転しています。地図を開いても相変わらず電波が入らないのでこのまま進んで良いものか悩みながら進んでいると、国道560号(魚沼スカイライン)と国道80号が交わる所あたりで電波復帰を確認。
この時に色々と考えていたのですが、取りあえず近くのホンダドリームに行って応急処置してもらえればそのまま走らせる事ができるんじゃない?と思ってUターンをしたのですが、上り坂で荷物満載の状態だったのでそのまま立ちごけをしてしまいます。この時に右ミラーを完全破損、更にマフラーを傷付けてしまいます。車体を起こして、交差点付近で止まってスマホを操作しようとスタンドを倒したのですが、今度は下り坂でそれをやってしまった為、車体が前に動き出したので急いで踏ん張って転倒を防ぎました。
この時になってようやく自分が事故を起こして正常な状態ではないんだと気付きます。この精神状態で高速乗ったら命に係わる事故を起こす、と思い、キャンプを諦めて、どうやって帰るか考えることにします。取りあえず車体が大丈夫な状態か分からないまま運転し続ける事にリスクを感じたので、点検してもらうことを考え近くのホンダドリームを調べて移動開始。
途中、行く予定だった『八箇峠見晴台』に到着、満身創痍のレブル、全て私が悪い。
写真を撮って直ぐに出発、バイクの状態を確かめるようにゆっくり運転しながら進みます。ここで熊とか出てきたらもうキャンプするなって事だなとか考えていた矢先、見晴らし台から2、3つコーナーを曲がった先で熊とエンカウント。距離20mほど、体長推定1m。左の山側から道を渡ろうとしていた所で鉢合わせました。バイクをゆっくり停止させている間に熊は山側へ逃走、この後どうしようと数秒考えたのち、突っ切ろうとバイクを進め横を通り過ぎる辺りで熊が再度出てきて、熊再びびっくりして山側へ逃走。思った最悪の事が起こってしまい、本当にキャンプ場に行ってはいけない何かを感じたので完全に諦めが付きました。それにしてもセンターラインのない狭い道、Uターンも直ぐにできないので熊に遭遇しても咄嗟の対処なんて何もできないなと思いました。
熊をやり過ごして一つ目のコーナーを曲がるとロードバイクで登ってくるご老人が一人。バイクを停止させ、さっき熊がいたので注意してと伝えた所、それなら帰ると即座の判断をされていました。
山を降りて、町中に入ってようやくホンダドリームに到着、と思って訪れた所はHonda Cars。…自分がきちんと確認しなかったのも悪いですが、googleマップで『ホンダドリーム』とキーワードを打って、検索結果から出てきた一番近い所を目的地にしてしまって、つくづく今の自分の精神状態が普通ではない事実を突き付けられれます。ここから一番近くのホンダドリームは『ホンダドリーム長岡』、大体80kmほど離れています。しかも帰宅の逆方向、帰る事を考えるとこれだけの移動をしてレブルの問題を解決できるのか不安に感じたので、店舗に確認してみようと調べたのですが電話番号無し。ならばと購入元のホンダドリームに連絡した所、他の店舗は関連が無いので不明との無情の回答。ただ、電話応対をしてくれた方に状況を説明していたのですが、Honda Dream Owner's Clubのロードサービスを利用されてはとご提案をいただきました。自走できる状態なのに使って良いものか分からなかったのですが、使えると言う事で利用を決心しました。
取りあえず分かりやすい六日町駅まで移動。
Owner's Clubのロードサービスへ連絡すると、直ぐに手配してくれて1時間後に回収に来るとの事。バイクの移動費は距離無制限なので年会費以外の追加料金は無し、バックアップサービスもあるので、帰宅費用補助がここから自宅までの距離換算で2万円上限で出るとの事でした。
その後は嫁様にキャンプやめて帰るLINEをしたら鬼電がかかって状況説明を、「もうバイク乗るな、ボケナス」まで言われましたが、「自分の状態が良くないからちゃんと判断して帰る事にした」と言ったら、言い過ぎたと思ったのか何も言わなくなりました。
待っている間に、車体の泥汚れをできる範囲でふき取ります。
痛々しい記録の数々、すまん…。
ミラー撮るの忘れた。
きっちり1時間後に回収のおじさんが到着して引き渡し完了、この時に少しおじさんと雑談をしました。
次に会う時は完全復帰した時に。ちなみに荷物は一緒に送れないのでハンドキャリーで持って帰る事に。キャンプ道具一式にヘルメット、めちゃくちゃ重い。
みどりの窓口できっぷを購入、新幹線の利用も可能なので助かった。
越後湯沢で新幹線に乗り換え、何気にかがやきと同じ車体に乗るのは初めて。
切符を購入する際、窓側が空いていたので取っておきましたと得意げに言われたのですが、3連休最終日、普通に満席だったので、荷物たくさんで乗ってしまい本当にすいませんでした。
新幹線の座席に座った後は、疲れていたのか、寝不足が来たのか一気に睡魔が訪れて気付いたら大宮に着いてました。今日一日で色んな事がありすぎて頭の中を整理していたら直ぐに東京に到着。スーツケースの人は多いけどバカでかいザックを背負っているのは私だけだったなと思いながら最寄り駅に向かい、今回の敗走キャンプツーリングは終了になります。