NHKにチャンネルを合わせ
開始15分前からテレビの前で待機
久しぶりにワクワクしているのに
終わりかけているニュースの辺りで
コックリコックリしかけていたその矢先

いきなり金テープの舞う映像と音で
完全に目覚めたわたしです。

実際のライヴでは
モニターにも映らなかった
オープニングの曲
「歌を歌うときは」

歌い始める前の緊張感が伝わってきて
こんな表情で歌ってたのねと
鮮明に映し出される映像を通して
ライヴで見た景色を復習していったわけです。

続いて「PopVirus」
なんだろうな…鳥肌が立つ感じ
体の血液がサーッて音を立てて
感動しているのが自分でもわかりました。
何に感動していたのだろうか
五万人の観客の前で緊張しながらも
堂々と歌っている星野さんの姿なのか…
音に合わせた光の演出なのか…
自分でもよくわからないけど
目に飛び込んできた映像を観て
凄い!って思ったのは確かだし
理由などいらないのだ。

MUSICAでおなじみの有泉智子さんが
インタビュアーとして
星野さんにインタビューしながら
映像とインタビューをうまく織り交ぜながら
番組が構成されてました。
構成は寺ちゃんですね。さすが!

番組のインタビューを通して
奥が深いことを言われるなぁと思ったのは

曲ができてからの一番のリスナーは
自分である。とにかくいろんな人に
聴いてもらいたい。
通好みの音楽だけにはなりたくない。
なぜなら通好みの音楽は、
本当の通は聴かないから。

っていうね、星野さんの強い信念を感じます。
前から言ってることなのだけど
自分に酔ってる人が嫌いとかテレビで
結構はっきりとおっしゃってましたね。

「こんばんはー星野源でーす!」という
パブリックなイメージがどんどん膨らみ
壊れかけていく自分
「アイデア」を作るってなったとき
明るい曲を作るのが辛くなってきて
本当に自分のやりたい音楽とむきあって
三部構成の曲になったと。
「アイデア」は複数の問題を一気に解決する
っていう任天堂の宮本氏の言葉にも
背中を押されたのですね。
「PopVirus」のアルバムを作っていく上で
「アイデア」の反響をすぐに聞きたかったから
CDではなく配信にしたんだなと
素人なので星野さんのお話を聞いていると
前に聞いた話と今聞いた話とが繋がって
後になってじわじわわかってきます。
「アイデア」で手応えを感じることができて
自分のやっていることは
まちがってなかったのだと
「PopVirus」のアルバム制作に
入っていけたのですね。

アルバム「PopVirus」の中に
「present」っていう楽曲がありますが
初めて聴いたとき
心の闇とか病みを感じて
ズーンと暗い気持ちになったにも関わらず
最後のゴスペルの部分に
空がパーッと晴れて陽の光が
射してくる歌の描写に救いがあって
なんて歌なんだと泣きそうになったのだけど
それは星野さんがやりたかったテーマに
沿っているのだなぁと
お話を聞いて思いました。

クソみたいなことだけの曲にしてしまうと
面白くないし、切ない部分を
歌にする必要はない。
ほんとにクソみたいだよねっていう中にある
かけがえのない瞬間とか愛を
歌にこめたい。
それがたどり着いた答えだと
おっしゃってました。

こういう答えにたどり着くまでは
ああでもない、こうでもないと
試行錯誤しながら
辛い制作作業なのだろうと思われます。

45分間の番組でしたが
飾り気のない星野さんのトークと
ライヴ映像がうまく合わさって
濃い内容でした。
個人的に「PopVirus」のアルバムを聴いて
思っていたことと
星野さんのお話がリンクしたので
なるほどって思いました。

この番組の余韻をひきずったまま
今日に突入し
なんとなくライヴの翌日みたいな感覚です。

あとは円盤の発売が楽しみで
しかたないです。