ひたすら点滴。
そして体位変換。
食事時は胃ろうから、ミルクみたいなやつを点滴。
時々、喉の穴から痰吸引。
おしっこは留置カテーテル。
排便は下剤入れるんで(座薬とか、胃に直接)ゆるく、2時間に一度くらい、オムツ取替え。

本人は・・・・寝るしかない、みたいな。
ずっとベッドの上ですし。

実は一ヶ月、お風呂はいってません。

こういうのって・・・・スパゲッティ症候群っていうんじゃないのか?

最悪な感じがする。

こうなることは予想していたけれど・・・・・こうなると、ますます終わりが見えなくなる。

肺炎を起こすとか、床ずれで、身体がただれるとか・・・・・

私の手からは離れました。

放棄・・・・というよりも、無理ですもの。

本人からの要望は・・・・・ないに等しいですが・・・・体位を変えてくれ、以外には。

耳も聞こえるし・・・・・匂いもかげる・・・・目も見えるけど・・・・手が動かせない。

荷物を増やさないようにしているので、いたって殺風景な病室。

今月一杯は大丈夫だろうが・・・・・来月は、どうだろうか?


あの病院に置いてもらえるんだろうか
昨日の医者の説明では・・・・

脊髄の患部が広がっている。
このままだと、延髄にまで達する。そこはもう意識障害や呼吸停止といった重篤な事が、まっている。

栄養状態を改善すべく・・・・というか、もうその手立てしかないらしい。
イロウ。

口からは何も食べられない。
しゃべれない。
動けない。
生かされている状況だ。

排泄もダメ。

管に繋がれっぱなし。

最悪な状態だ。

今は本人も興奮気味で今の状況にドキドキしているだろうけど、これが何年も続くと知ったら・・・絶望するだろう。

しかし、今、目の前の状況を乗り越えていくしか残されているものは無い。

安息の時が、訪れるのを待つしかない。



親戚の人とかに聞かれたら、本当の事を応えることにしよう。隠しても無駄だし。

面会も・・・んーーーー、どうなんだろう。

いってもしょうがないというべきか。

顔見たら、喜ぶよ、位に言おうか。

どっちでもいいや。
昨日、ジイサマが記念樹を植えているゴルフ場にいった。

私はジイサマの樹(椿の樹)と向き合って、相談してきた。

婆様、どうしよう?と。

応えは無い。



帰りに病院にいってみた。

一回り、小さくなった婆様が、ちんまりとベッドに居た。

ニコニコする元気はある。

少しマッサージしてあげながら話し掛けた。うなずいたり、首を振ったり。

結構、鼻からのチューブもなれてきたようだ。

この人は、受け入れているのだ。すべて。




今日、夕方に主治医の話がある。

イロウにする、といわれたら、「本人次第」というしかないだろう。

家には帰る事は不可能なら、どっちでもいいのだ。

余命がどのくらい伸びるのかわからないが、イロウだって結構な不安があるのだから、鼻からのままでいい、というなら、そのままで、しかたがない。

これから先の場所を選択しなければいけなくなったかもしれない。


鼻から入れていると、下痢をきたしているようだ。

もしかしたら、消化器官がうまく行ってない可能性もある。

見守るしかないんだ、と思う。
昨日病院にいったら、鼻からチュウーブ入れられてた。
本人、うっすらと目をあけるが、苦しそう。
吐き気もアリ、首にあけた穴から、咳き込むと空気が漏れるありさま。
ちょっと、これは・・・・・まずいんじゃないの?ッて感じ。

④日の説明ではイロウの話になると思われる。
どうしようか。
熱もあったみたい。

このまま、何年も生き長らえさせるのか。
非常に辛い。

本人は、「もう無駄なことはしないでくれ・・・」と思うかもしれない。

でも、人間であるからには全うさせたい。

思えば、自分で介助無しで食べられなくなった時点で、生きる力はなくなってしまっているのだ。

それを今まで引っ張ってきたわけで・・・・。

どんな事があっても回復は望めない。

でも。

自力で、しゃべれなくても、息が出来なくても、排泄が出来なくても、食べられなくても、生きていけるのだ。

いったい、なにを思っているだろう。

強い麻薬でも投与してあげて、綺麗な花畑の夢でも見せてあげたいところだ。

喉の違和感とひたすら戦うだけの肉の塊・・・・

手の自由も無い。

歩く事すら出来ない。

意思の疎通も怪しい。

生きる意味は?


慌しく入院したのが、ってか、させたのが五日前。
あっという間に、のどに穴をあけられて、声が出ない状態に。

妄想話満載だ。困った。でもしかたないか。

もう家には戻れないだろう。喉に穴なんて私には世話できない。

だって・・・・食べられないんだもの。何も。

今まで散々やってきたから、もう解放してもらいたい。

さっき様子を見てきたら出ない声で、口だけ動かして。

「手が痛い」
「両方、転んだ時にぶつけた」
「アシが動いた」

なんつうか、もう、ボケに近いです。

ボケたほうが本人のためです。こうなったら。

私は決着つけるために・・・・・・・・・・介護用品を、全部返すことにした。

家には戻れない。確信したから。

無理。