今回はレンズの話を少しさせていただきます。 取り上げるレンズは、標準レンズとして製造されていた50mmクラスのレンズを1959年~1972年頃まで製造されていたものです。
写真は、Nikomat FTに5.8cm f=1.4を装着した写真です。
1959年~1962年まで製造販売されていた標準レンズで、Nikon Sシリーズ用5cm f=1.4のコピー設計為描写性能があまり好ましくないと言われたレンズです。 最短撮影距離は、0.6mと少し長めなのもガラス材料の質に寄るものと言われます。 焦点距離も5.8cmと長く標準レンズとしては、中望遠に近いレンズでした。
Nikomat ELに50mm f=1.4を装着した写真です。 この50mmは新設計レンズで1962年の販売開始以降1974年のNew Nikkor販売までの12年間外観変更のみで製造されたレンズです。
この50mmは銘玉として名高いレンズです。
Nikomat FTに50mm f=1.4を装着した写真ですが、上の写真のレンズとの違いが判らないですね
このレンズと、上のレンズの違いは後で説明します。
カメラからレンズを外して並べて見ました。
左から、5.8cm f=1.4、50mm f=1.4、50mm f=1.4後期タイプと並んでいます。
左の5.8cmと真ん中の50mmは距離指標が白ペイントでmとfeetで表示されてます。
右の50mmのようにmとfeet表示が一緒になったものが多いのですが、初期のレンズに限りどちらか一方の表示のみになるようです。
右側の一本だけがAi改造されたレンズで現在のデジタル一眼のAiマウント仕様機で使用可能(一部露出計使用不可)です。
デジタル一眼入門機(非Aiマウント仕様)では、これらのレンズ全て使用可能ですが、露出計が作動しません。
5.8cm f=1.4の原産国刻印ですが、 PAT.PENDと刻印されている。
LENSE MADE IN JAPANと刻印されているが、下にも刻印があるようなのでそちらを見てみましょう。
上の写真にもあった刻印ですが、製造国を示す刻印の他に占領下を示す刻印も・・・
微妙な時期に製造された一本のようです。 これ以降のレンズには、原産国を示す刻印のみがあります。
この3本のレンズは短期間に製造されたレンズですが、外観や刻印の違いで時代がわかります。
中古で探す場合は、5.8cm f=1.4は玉数が少なく価格も新品レンズに負けない価格が付いている場合が多いので注意しましょう。 程度の悪い物も高めです。
50mmは価格も程度も豊富でここに掲載した以外のレンズもある可能性があります。