言葉の種が芽吹く場所

言葉の種が芽吹く場所

文芸作品を投稿していきます。

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ブラウン管の向こうで
アスリートが栄光を飾る姿が
繰り返し 流れる

舞台で脚光を浴びる
一握りの名優たち
名だたる企業を
一代で築いた男たち

最先端の研究に挑む教授
熱く夢を語り、行動する友

今はまだ
私は私の舞台にいない

ただひとり
舞台裏に取り残されている

そんな私だけど、
どこかにきっと
私を待っているモノがある

誰にだって
その人にしかできない
その人だからできる
何かがある

だから
そう、顔を上げて
今を一歩ずつ 進んでいこう

舞台裏の仲間を探すのは
もう 終わり

私だけの きらきら光る何かを
探しだして この手に掴もう

未来はまだ
一つに定まっていないから




さあ 飛び立とう
住み慣れたカゴを離れて

決められた食事と
この小さな止まり木との見返りに
あなたが私の羽を奪うなら
私はすぐにでも飛び立とう

そこでは
私に餌をくれる人はいない
猛禽や嵐に
襲われることさえある

あなたは私を危ぶむだろう

そこに何があるのか
本当は 私も知らない

でも
手を引いてくれる人がいる
この小さな世界では
決して得られない 何かがある

だから、
さあ 飛び立とう
私は「私」に別れを告げる

その扉の鍵は
あなたが開けてくれたから
飛び立つ決意をするのは 私自身

せめて
笑って見送ってほしい

私は振り返らずに飛び立とう

大丈夫。
少し 疲れたときは
名も知らぬ枝で 羽を休めるから




ずっと後回しにしてた。
ほつれかけてた
コートのボタンを付け直した。

ずっと前から、
ずっと会いたくて、
ずっと会えなかったあの人に、
ずっと言えなかった「ごめんなさい」と
ずっと言いたかった「ありがとう」を

でも
ずっと胸にしまってる
今も、これからも。




君はいつも 目を丸くして
僕の顔を のぞき込むけど

僕はそっと 肩に手を乗せ
静かに 首を振るんだ

そうじゃないよ。

君が夢中になる話なら
僕は聞いてあげるから

僕が「おいしい」と言ったからって
無理して食べなくていいし

君のおかしなところだって
紛れもなく 君の一部なんだから

いい子でなんて いなくていい
顔文字なんて 打たなくていい
空気なんて 読まなくていい

他人になんて、ならなくていい。

今 君が生きてる瞬間に
文脈も
マニュアルも ありはしない

これから紡いでいく 君の一歩は
誰も知らない ストーリー

それが 生きているということ



大切な
ガラスのオルゴールが奏でる
甘美で空虚な 幻想曲

(アスファルトの地面に砕け散る)

ネジを巻き戻して 鍵をかけよう
別の歯車が回りだすように、
今度はもっと しっかりと

いつの日か
鍵が解けるように