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原因不明不妊で悩む人は不妊症の10~35%と言われています。
しかし「基本的な検査」とは施設ごとによって違い、詳しく調べるところもあれば、簡単に済ませてしまう施設もあります。「10~35%」という幅広い数字はこの辺りが関係して、実際に「腹腔鏡検査」を含めた精密検査をすれば、原因不明不妊は10%程度、もしくはそれ以下になると考えられています。
また「原因不明不妊」と「機能性不妊」とを区別して使うこともあります。この場合では、基本的な検査で不妊原因が認められなかったものを「機能性不妊」、さらに精密検査でも異常が見つけられなかったものを「原因不明不妊」と呼んでいます。
原因不明不妊で悩む人は、なかなか次の治療ステップに進めないものです。目立った不妊原因がないのですから、いきなり人工授精や体外受精といわれても納得することが難しいのです。
しかし原因不明不妊では、実際には隠れた不妊原因があることがほとんどで、不妊治療をしない周期では妊娠率は非常に少ないようです。
原因不明不妊では何の治療もしなくても3年以内に60%が妊娠する。
原因不明不妊では周期あたりの妊娠率は3%と低い。
機能性不妊にクロミフェンを使用すると周期の妊娠率が9%と増え、さらにhMGを刺激をすると15%の妊娠が期待できる。
原因不明不妊の原因
着床障害
せっかく精子と卵子が出会い受精卵となっても、子宮内膜との相性が悪いと着床に至らないことがあります。また何かしらの免疫異常(同種免疫、自己抗体)が起こり、着床を阻害することもあります。
黄体期異常
黄体の形成や維持に障害があり、妊娠の継続が出来ないことがあります。LH(黄体化ホルモン)が受容されなかったり、子宮内膜がホルモンを受容しなかったりします。また高プロラクチン血症による黄体維持障害などもあります。
子宮内膜の異常
着床が起こるには子宮内膜が、完全な「分泌期内膜」でなければいけません。しかし月経時に子宮内膜が完全に脱落しなかったり、あるいは黄体ホルモンの分泌異常によって子宮内膜が肥厚しなかったりすると、着床障害につながります。
黄体化未破裂卵胞
黄体化未破裂卵胞(LUF)とは、卵胞が成熟しているにもかかわらず、実際は排卵せずにそのまま黄体化してしまうことです。基礎体温では2相性になり高温期が存在するので、しっかり排卵が起こっていると勘違いすることがあります。
子宮内膜症
本来なら子宮の内側をおおっている組織が、子宮の外側に増殖してしまう病気です。子宮内膜症患者の8割が不妊症と合併すると言われ、卵管への癒着の他にも妊娠を阻害する免疫性への関与が疑われています。
卵管因子
卵管内での受精卵の移動阻害、卵管采のピックアップ障害など卵管性不妊はいたるところに原因があります。子宮卵管造影検査で異常がなかった人でも、腹腔鏡検査をしてみると子宮内膜症などが見つかることがあります。
抗透明帯抗体
卵子は透明帯に包まれていますが、受精時には精子がこの透明帯を壊して進入をします。しかし抗透明帯抗体が、精子の結合を阻害したり精子受容体以外の抗原に影響を与えている可能性があります。
染色体異常
配偶子(卵、精子)に染色体異常を認めると着床障害、科学的流産を引き起こします。染色体、遺伝子、DNAの各レベルに損傷があると、妊娠は不成功となります。ART(体外受精や顕微授精)では配偶子形成、受精、胚培養過程における染色体損傷に細心の注意をはらっています。
そろそろ暖かくもなってきたし
コウノトリさん来ないかな