双子出産の帝王切開のときに、もし次回があるなら教訓にしたいと思ったことのひとつに「手術前の浣腸はした方がいい!」ということがあります。


私が入院していた病院では、術前に「お通じが悪い場合は」浣腸をするという方針でした。


私は過去に浣腸をした経験がなかったため、浣腸自体に多少抵抗があり、また、妊娠中ずっと快便で、手術の朝もすっきり用を足していたため、「浣腸はなくて大丈夫です。」と、浣腸をしないまま手術に挑んでしまいました。


午前中には手術が終わり、翌朝までは飲まず食わずで、尿道にはカテーテルを通されベッドに寝たきりなのですが、唯一「氷」を舐めることだけは許されていました。


麻酔の効きが強いのか、ものすごく眠いなか、痛みで何度も目が覚め、その度に喉がかわいて氷を舐めさせてもらってはまた眠る、を繰り返していました。


夜中の1時頃、また痛みで目が覚めたのですが、手術の傷の痛みに加え、まさかの下痢の腹痛。


うそでしょ治まってくれ!朝までなんとかもってくれ寝よう!


そう願うこと約30分。痛みは治まるばかりか、早く出してくれの痛みの波がどんどん大きくなって、冷や汗も。寝るどころではありません。


後陣痛の出血用にオムツのようなものをつけていたので、もうこのまま出すかと、(記憶上では人生で初めて)大きい方を漏らすことも覚悟しました。


朝までは安静って言ってたし、どうにもならないだろうと思いながらも、漏らす前に念のためと、すがるような思いでナースコール。「下痢がでそうで、我慢しようと思ったのですが、厳しそうです


すると助産師さんが悩んだ末、なんと、オマルを持ってきてくれました!!!銀色の冷たいオマルに紙を敷いたものです。それを寝そべった体勢のままお尻の下に置いて、ベッド上で用を足してくださいと


お尻は汚れるかもしれない、けどお漏らしではない!というところで、オムツ(のような生理用品)にそのままぶちかますよりは全然ダメージが少ない!と思い、ベッド上で寝たままの決行をほとんど決意しました。


しかし、、、4人部屋、カーテンの向こうには皆さまいらっしゃる。においも漂うと思います。痛みの質的に、だいぶくだってる状態のため、そのような音も聞こえると思います。きっと目が覚めて、助産師さんとのやりとりを耳をそばだてて聞いてた人は「まじ?」と思ってるにちがいない。


今度はその自尊心の壁と、早く出してラクになりたいという苦しさの戦いがはじまりました。


1時間後、助産師さんがソロ~っと様子を見にきてくれました。


「ダメでした。出せませんでした。」

自尊心が勝りました。限界を何度も超えそうになりながら、最後の一踏ん張りはできないまま、時間が過ぎていきました。


助産師さんも打つ手がなくなり、「基本的にはダメなんだけど、トイレに行っていいか主治医に確認してみます。」とのこと。


さらに約20分後。

OKでました!車椅子でトイレ行きましょう!」

それまでの我慢が報われた(?)瞬間でした。


傷の痛みと下痢の痛みと、漏れそうな危機感と、いろんなものが混ざり合い、大汗をかきながら、無我夢中で車椅子へ移動。トイレについて、傷はすんごく痛いけど、用を足せる安堵感で、唸りながらも素早く便座に移動。


尿道にカテーテルをつけたまま、出血もしてるし、いろいろとものすごくいずいけど、うーうー言いながら無事に用を足すことができました。


その後の記憶が曖昧ですが、腹痛もおさまり、朝まで眠ることができたような気がします。


術後の抗生剤の副作用、氷の舐めすぎなど、下痢をもよおしてしまった原因はひとつじゃないかもしれません。でも、もし術前に浣腸をしていたら腸になにも残っていなかったら下痢にはなっていなかったかもしれない。あんなに辛い思いをすることはなかったかも。


次があるならば、絶対に浣腸をしてもらおう。そう固く決意した体験でした。