娘のプリスクールの保護者会が、月に1回あります。
先生がその月の活動報告をして、来月の行事の説明があって、質疑応答。
全部英語です。
時間にして30分くらい。
たった30分なんですけど、毎回、行く前からお腹が痛くなります。
先月の保護者会のことを書きます。
教室に入って、パイプ椅子に座って、プリントが配られた。プリントも英語。
先生が話し始める。
最初の2〜3文は聞き取れるんです。「Thank you for coming today.」とか「Let me share what we did this month.」とか。このあたりはわかる。
でも、そこからだんだん速くなっていって。
固有名詞が出てきて、数字が出てきて、行事の日程の話になって。
わからなくなる。
わからなくなった瞬間、頭の中が「わからない」でいっぱいになって、そのあとの話も全部入ってこなくなる。
で、私がやったこと。
膝の上でスマホを開いて、Google翻訳のカメラ機能を起動して、配られたプリントを翻訳しました。
画面越しに、英語が日本語に変わっていく。
それを読みながら、先生の話を「なんとなくわかったふり」で乗り切りました。
周りを見ると、他のママたちは普通に聞いてるんですよね。
隣のママは、メモを取ってた。英語で。
前の席のママは、手を挙げて質問してた。英語で。
私だけ、膝の上でスマホをこそこそ見てた。
恥ずかしかったです。
でも、あとで考えたら、「恥ずかしい」にもいろいろあるなと思って。
英語がわからないことが恥ずかしかったのか。
Google翻訳を使ってることが恥ずかしかったのか。
他のママと比べて自分だけできないことが恥ずかしかったのか。
たぶん、全部なんですけど。
一番大きかったのは、「こんな場所にいる資格が自分にはないんじゃないか」って感じたことでした。
娘をインターに入れた。
でも自分は英語ができない。
保護者会の内容すらわからない。
Google翻訳がなかったら、何が話されたのかもわからないまま帰るところだった。
「こんな親が、インターに子どもを通わせていいのか」
これが、恥ずかしさの正体だった気がします。
帰りの車の中で、娘が「ママ、今日たのしかった?」って聞いてきたんです。
保護者会のこと。
娘にとっては、ママが自分の教室に来てくれる日。たぶん嬉しい日。
「うん、楽しかったよ」って答えました。
嘘でした。
楽しくなかった。30分間ずっと居心地が悪くて、早く終わってほしくて、終わったあとは疲労感しかなかった。
でも、その疲労感の原因は「英語がわからなかったこと」だけじゃないんですよね。
「英語がわからない自分は、ここにいちゃいけない」
この思考が、30分間ずっと頭の中にあった。
先生の話を聞く余裕なんかなかった。だって、自分が「ここにいていいのか」のほうが大きかったから。
冷静に考えれば、保護者会に英語力の条件なんてないんです。
月謝を払っていれば、誰でも出席できる。Google翻訳を使ったって、別にルール違反じゃない。
先生だって、英語が苦手な親がいることはわかってるはず。
でも、「わかってる」と「感じる」は違うんですよね。
頭ではわかってる。
でも体がずっと縮こまってる。声を小さくしてる。存在を消そうとしてる。
あの30分間、私は英語を聞いてたんじゃなくて、「自分はダメだ」を30分間浴びてたんだと思います。
英語がわからないこと自体が問題なんじゃなくて、英語がわからないことを通じて「自分はダメだ」が起動する。そのほうがずっときつい。
来月も保護者会があります。
また行きます。娘のために。
Google翻訳も、また使うと思います。
でも、次はもうちょっとだけ、「恥ずかしい」の正体を知った状態で座れるかもしれない。
英語がわからないことが恥ずかしいんじゃなくて、「わからない自分にはここにいる資格がない」って自分で自分に言ってることが、一番きつかったんだって。
それがわかっただけでも、来月はちょっとだけ、背筋を伸ばせる気がします。
気がするだけかもしれませんけど。
- 前ページ
- 次ページ
Instagramで見たんです。
朝活で英語をやっているワーママのアカウント。
毎朝5時に起きて、子どもが起きる前の1時間で英語。
リビングの写真が載ってて、テーブルにテキストとコーヒー。窓の外はまだ暗い。
「#朝活」「#ママの自分時間」「#英語やり直し」。
きれいだな、って思いました。
写真も、生活も、「ちゃんとやってる感」も。
「私もやろう」って思いました。
その日の夜。
アラームを5時にセットしました。
娘は毎朝6時半に起きるから、5時に起きれば1時間半ある。
1時間半もあれば、英語だけじゃなくてコーヒーもゆっくり飲める。
完璧。
ベッドに入って、目を閉じて、「明日から変わる」って思いました。
翌朝。
5時にアラームが鳴りました。
暗い。寒い。眠い。
この3つが同時に来ると、人間は目を閉じます。
「あと5分だけ……」
次に目を開けたら、6時28分でした。
隣で娘が「ママー」って言ってました。
朝活、終了。
「今日はたまたまだ。昨日寝るのが遅かったから。明日は大丈夫」
そう思って、翌日も5時にアラームをセット。
翌朝。
5時にアラームが鳴りました。
今度は一瞬だけ目が開いた。天井が見えた。
「よし、起きよう」
……と思った0.3秒後に、「でも昨日の夜、娘がなかなか寝なくて遅くなったし」っていう言い訳が脳内に浮かんで、目が閉じました。
6時35分。娘。「ママー」。
朝活、2日連続終了。
3日目は、アラームが鳴った瞬間に止めました。
目は開けなかった。指だけが動いて、アラームを止めた。
体が覚えたんですよね。「このアラームは止めていいやつ」って。
4日目。
アラームを5時半に変えました。30分だけでもいいから。
5時半に鳴った。止めた。寝た。
5日目。
アラームを消しました。
5日間の朝活の成果。
英語の勉強時間:0分。
早朝に目が覚めた回数:3回。
二度寝した回数:3回。
自己嫌悪に陥った回数:5回。
最後の数字だけ、ちゃんと毎日積み上がってるのが笑えないところです。
朝活って、向いてる人には本当にいいんだと思います。
朝の静かな時間に、自分だけの時間を作って、やりたいことをやる。
実際にそれを続けてるママはたくさんいるし、すごいなって本当に思います。
でも私の場合、朝5時に起きることそのものが「気合い」に依存してた。
気合いで起きて、気合いでテキストを開いて、気合いで1時間集中する。
気合い、気合い、気合い。
気合いって、続かないんですよね。
3日は持つ。でも4日目に切れる。
切れた瞬間、「やっぱり私には無理だった」が来る。
ここが一番きついところで。
5時に起きられなかったこと自体は、たいした話じゃないんです。
眠かった。疲れてた。仕方ない。
でも、「5時に起きて英語やるって決めたのに、起きられなかった」は、別の重さがある。
「決めたことを守れなかった自分」が、また一人増える。
英語アプリを3日でやめた自分。
単語帳を開かなくなった自分。
ラジオ英会話を1日も聴かなかった自分。
そこに「朝活すら続かなかった自分」が加わる。
「私って何をやっても続かない人間なんだ」のレンガが、また一つ積まれる。
たぶん、朝活の問題点はここなんです。
成功したら自信がつく。
でも失敗したときの反動が大きすぎる。
「朝5時に起きる」っていうハードルの高い約束を自分にして、守れなかったとき。
「たった1時間早く起きるだけのこともできないのか」になってしまう。
ハードルを上げれば上げるほど、越えられなかったときの自己否定が深くなる。
15分の勉強が続かなかったより、朝活が続かなかったほうが、ダメージが大きい。
なぜなら「わざわざ生活を変えてまで取り組んだのに」がくっつくから。
今は、朝5時には起きていません。
6時半に娘に起こされて、いつも通りバタバタして、いつも通り出勤してます。
英語は、やっていません。
でも、「朝5時に起きれば解決する」と思ってた頃よりは、ちょっとだけ冷静な気がします。
問題は起きる時間じゃなかった。
気合いを入れれば入れるほど、切れたときに遠ざかる。
頑張ろうとすればするほど、頑張れなかったときに自分が嫌いになる。
この仕組みを何とかしない限り、何時に起きても同じなんだと思います。
何とかする方法は、まだわかりませんけど。
タイトルの通りです。
単語帳を買いました。
「毎日10単語ずつ覚える」って決めました。
3日で開かなくなりました。
忘れたのは単語じゃなくて、「毎日やる」って決めたこと自体です。
買ったのは、初心者向けの英単語帳。中学レベルのやつ。
選んだ理由は、「1日10単語、30日で300単語」って帯に書いてあったから。
300単語覚えたら、日常会話の7割がカバーできるって書いてあった。
7割。そう聞くと、いけそうな気がしたんです。
1日10単語。10個。そんなの5分もかからない。
毎日5分やるだけで、1ヶ月後には300単語。
完璧な計画。
1日目。
寝る前にベッドで単語帳を開いた。
apple、book、cat、dog、eat、family、good、happy、ice、juice。
……知ってる。全部知ってる。
当然です。中学レベルだから。
でも「知ってるのを確認する」のも大事って書いてあったので、ちゃんと10個やった。
赤シートで隠して、意味を言って、めくる。全問正解。
「これなら続けられる」って思いました。
2日目。
kitchen、lemon、money、name、open、park、question、rain、school、time。
これも全部知ってる。
でもちょっとだけ、「こんな簡単な単語をやって意味あるのかな」って思い始めた。
知ってる単語を確認するだけの作業。これを30日続けたら、本当に英語ができるようになるんだろうか。
……いや、300単語覚えたら日常会話の7割って書いてあったし。信じよう。
10単語やって、閉じました。
3日目。
単語帳は、ベッドサイドのテーブルに置いてありました。
寝る前に手を伸ばせば届く場所。
手を伸ばしませんでした。
代わりにスマホを手に取って、Instagramを開いて、気づいたら30分経ってて、眠くなって、寝ました。
4日目。
単語帳の存在を、忘れていました。
物理的にそこにあるのに、意識から消えていた。
5日目に、テーブルの上の単語帳を見て「あ」って思いました。
その「あ」の後に来たのは、「やらなきゃ」じゃなかったんです。
「……まあ、いいか」でした。
20単語。
私が覚えた単語は20個。apple から timeまで。全部もともと知ってた単語。
実質的な収穫はゼロです。
でも、今回考えたいのは「単語が覚えられなかった」ことじゃないんです。
だって、覚えられなかったんじゃない。そもそも開かなかったんだから。
3日目、単語帳に手を伸ばさなかった。
4日目、存在を忘れた。
5日目、思い出しても「まあ、いいか」で終わった。
この3日間で何が起きたのか。
教材が悪い?いいえ、内容は簡単で続けやすい設計でした。
時間がない?いいえ、Instagramを30分見る時間はありました。
単語が難しい?いいえ、全部知ってる単語でした。
じゃあ、何が「開かない」を作ったのか。
正直に振り返ると、2日目の時点でうっすら感じてたんですよね。
「こんなことをやって、本当に意味あるのか」
1日10単語。全部知ってる。これを30日やっても、英語が話せるようにはならない気がする。
300単語覚えても、保護者会で先生の話は聞き取れないし、娘の前で英語を話せるようにもならない。
「意味がない」って思った瞬間に、もう手が動かなくなってた。
でも、これもちょっと違う気がするんです。
「意味がないから開かなかった」って、もっともらしい理由に聞こえるんですけど。
じゃあ意味がある教材なら開くのか?と聞かれると、たぶん開かない。
だってこれまでも、「これは意味がある」と思って始めた教材を、全部同じように閉じてきたから。
意味がないから閉じたんじゃない。
閉じる理由として「意味がない」を使っただけ。
「単語が覚えられない」で検索すると、効率的な暗記法がたくさん出てきます。
イメージで覚える。語源で覚える。例文で覚える。アプリで覚える。
全部正しいと思います。
でも私の場合、問題は「覚え方」じゃなかった。
「開くか、開かないか」の時点で、もう決まっていた。
覚え方を改善しても、開かなければゼロです。
そして「開かない」の原因は、単語帳の側にはない。
決意って、消えるんですよね。
「毎日やる」って決めたときの気持ちは、本物だったんです。
レジでお金を払ったとき、「今度こそ」って思った気持ちは、嘘じゃなかった。
でも、その決意は3日で消えた。
単語は20個覚えたけど、決意は1個も残らなかった。
これ、意志が弱いで片づけていいのかな。
なんかもっと、別のところに原因がある気がしてるんですけど。
うまく言葉にできません。
また貼ります。このブログで何回か紹介してるレポート。教材でも意志でもない「第三の理由」みたいなことを書いてるやつ。
しつこくてごめんなさい。でも今日みたいに「なんで開けないんだろう」って考えるたびに、あのレポートに書いてあったことを思い出すんです。
私がうまく言えない「別のところ」を、この人はちゃんと言葉にしてた。
単語帳はベッドサイドに置きっぱなしです。