【短歌】ブーゲンビリア | monologue~宥生のひとりごと~

monologue~宥生のひとりごと~

短歌、はじめました

ほんのりと制汗剤の匂いしてもうすぐ夏の図書館になる

ひまわりに生まれかわったライオンが花びらを風になびかせて立つ

耳元に悪魔の声が甘くなる今日は天使がお休みらしい

一瞬でアイスをとかした太陽にパイナップルをぶつけてみたい

あかいあかいBougainvillea 裂けば血の滴りそうなぶーげんびりあ

 

 

啞蝉(おしぜみ)が砂にしびれて死ぬ夕べ告げ得ぬ愛にくちびる渇く (春日井 建)

 

初めて春日井建の歌集を読んだとき、「砂にしびれて」の措辞に衝撃を受けました。

おそらく落ち蝉が砂の上で仰向けになっているのでしょう。

今まさに生を終えようとしている体が痺れたように震えている。

鳴かない蝉の最期の姿に、作者は自身を重ねたのだと思いました。