小林由依×藤吉夏鈴










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私は君の右手を掴む


『ふふ、どうしたの?』


ゆっくり振り向き私の顔を見る。


夏鈴「あのさ、浮気してるよね、?」


君は微笑んだ。
感情が読み取れない


『んっ、、』


掴んでいた君の右手が私の手からすり抜けていく。


夏鈴「ずっと、、前から気づいてた。でもいえなくて。ようやく決心がついた、、、、、」

『そっかぁ。ねぇ夏鈴、、私のこと好き?』



質問の意図が読み取れない
でも応える言葉なんて1つしかない



夏鈴「好きです。多分これからもずっと君のことしか考えられないと思います。でも、このまま裏切り続けられる方がいや、、で、す」

『わかった、ごめんね』

夏鈴「別れてください」




君の姿がどんどんと小さくなっていく。
終わったんだこれで
ようやく解放されたんだ。







保乃「よう頑張ったな偉いで夏鈴ちゃん!」

松田「今日はクズ女と別れた夏鈴の慰め会だ!沢山飲も!」

唯衣「飲も飲も!」



みんなの声が聞こえない
こんなに好きだったのにこんなにも愛していたのに
私の何がいけなかったんだろう


ひかる「夏鈴、、、、」

保乃「あっ、」

松田「夏鈴ちゃんをこんなにするなんてほんと罪な女だよ」

唯衣「1発殴ってくる?」

保乃「それはあかんやろ」





浮気されているとわかっていても
好きになってくれない愛してくれないとわかっていても
それでも一緒にいられるだけで嬉しかった

まだ大丈夫って自分に言い聞かせて何も無いように振舞ってた、


それくらいには君に惚れ込んでたんだ。





夏鈴「私の何があかんかったの?こんなに好きやのに、どこで間違えたんやろう、、グスン」


唯衣・田村・松田・ひかる「っ、、」


グスン





保乃side




ひかる「夏鈴寝ちゃったね」

松田「あんなに飲んだら流石にね。疲れてたのもあるだろうし」

唯衣「あのさ、小林さんってどんな人なの。確か保乃も知り合いだよね?」



うーん、由依さんは、、、
優しくて仲間思いの思いやりがある人。
だから夏鈴からこの話を聞いた時は驚いた。考えれば考えるほど由依さんが夏鈴にしてきたことが本当だとは思えない。でも夏鈴が嘘ついているとも思えないからきっと由依さんになにか理由があるような気がする。


保乃「由依さんは、ほんまにいい人。」

ひかる「でも、浮気したんでしょ?」

保乃「そうやけど、、、」

松田「小林さんに電話してみる?」

保乃「えっ、?」

松田「今は夏鈴寝てるし、今しか話聞けない気がする




確かに、、、
私は鞄の中からスマホを取りだし電話をかける




プルルルプルルル



不規則な電子音が響く
今日はもう出ないかもそう諦めていると


突然電子音が止まった。





『もしもし、?』




由依さんが電話に出てくれた。





保乃「もしもし、、

『ふふ、なんか緊張してる?』

保乃「えっいやぁ」

『そんな焦らないでよ、その感じ夏鈴ちゃんの慰め会でもやってるのかな?だとすればメンバーは松田さん、武本さん、あとは森田さんってところかな、それで夏鈴ちゃんがいま寝てるから電話をかけてきたと』

保乃「っ、、、、あーー」

『図星だ』



すごい、全部当たっている
まるでこの一連の流れが全てが見られていたかのように
うじうじしているのも意地らしいし単刀直入に聞くことにした


保乃「あの、なんでこんなことしたんですか、?」

唯衣「そうですよ、」

ひかる「夏鈴が可哀想だと思わないんですか?」



私の言葉に続いてみんなが思い思いの言葉をぶつけた。



松田「ちょっとみんな言い過ぎ」

『仕方ないよ。私が行けないんだし。今更かもだけどみんなには本当の理由教えてあげる。』



由依さんはこんな状況でも冷静に答えようとしてくれた。



『私さ許婚がいるの。いや、正確にはいたの方が正しいかな』



突然の言葉に息が詰まる
許婚?そんなの聞いたこと無かった。



保乃「えっ、」

『でも私はどうしても嫌で。断ってたんだけどなかなか許して貰えなくて。デートしていく中で何回も何回も説得してようやく昨日破棄されたの。これでようやく夏鈴の隣に堂々といられるって思ってたんだけど。こんなことになっちゃった。私が裏切っていたのも嘘をついていたのも本当のことだし今更言い逃れなんて出来ない言ってなかった私が悪いから。きっと今までの罰が当たったんだね』

保乃「っ、そんなこと」

『これからもみんな夏鈴と仲良くしてあげてね。私は夏鈴の幸せを願ってるから。じゃあそろそろ電話切るね』

保乃「あっ、ちょ」



このままじゃダメだ
ちゃんと向き合ってもらわなきゃそう思っていると



夏鈴「なんでいつも1人で悩むん?夏鈴そんな頼りないんかな。」



寝ていたはずの夏鈴が話し始めた




『ぇっ、?』

ひかる「夏鈴起きてたの?」

夏鈴「いや途中から目が覚めた。」

保乃「今からでも間に合うんやない?」

夏鈴「えっ、?」

唯衣「そうだよ!」

松田「確かに今からにでも由依さんの家行こ!」


私たちは由依さんの家に向かった。


ひかる「ここからは夏鈴1人で行くんだよ」

夏鈴「うん」

ひかる「絶対に大丈夫だから」


みんなの方をむく
力強い視線に頑張ろうと言う気持ちになれた。

私は1人由依さんの家の玄関の前に立つ
インターホンを押す手が震えるがさっきのみんなのことを思い出して意を決して押す。


ピンポーン


出てこない、
物音もしない。
もしかして家に居ないのかな、?

なんて悩んでいると
バタバタという足音が聞こえてきたと共に扉が開いた。

『はい、、、って夏鈴?』

夏鈴「中入りますね」

『ちょ、ちょっと』


私は由依の家の中に入り、リビングに行く。
由依が急いで私の後ろをおってくる
私は由依を抱きしめて気持ちを伝える。


『ちょっと、夏鈴、?』

夏鈴「由依。私、由依がすき。やり直そう」

『えっ、何言ってるの?私は、、』


由依が私から離れようと少し暴れる。
私はその由依をさらに強く抱きしめた、


夏鈴「ごめん、保乃たちとの会話全部聞いてた。」

『えっ、』


由依の力が抜ける感じがした。
そして私の腕を軽く掴み
私と由依との間が開く。


『夏鈴、ごめんね』

夏鈴「確かに、辛かったけど。私もちゃんと由依の話聞けてなかったから。1番大切な人を信じてあげられてなかったから。今度こそは由依を幸せにしたい。由依を信じたい」

『っ、、』

夏鈴「私は由依を愛してる」

『グスン、、、私も、愛してる』

夏鈴「ふふ、泣かないの。今度は絶対に離さないから」



そういい、私はもう一度由依を抱きしめた。







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最後までお読み頂きありがとうございます


では、

またね*