スパイス料理と聞くと、誰もが浮かべるであろう「スパイスカレー」。
最近では、いわゆる“おうち時間”という名の暇つぶしツールとしてもすごく人気があると聞いています(え、口が悪い?だって暇つぶしでしょ?)。
私にとってのスパイスカレーは学食の味。
大学でインド哲学を学んでいた私は授業が終わるたびに、学食にあるインド人がやってる本格カレー屋さんに行き、習いたてのヒンドゥー語を披露してご褒美のラッシーとチキンティッカをもらいに行ったものでした(確かに授業サボってカレーを学食で食べていた、という意味では暇つぶしが合言葉)。窯で焼いてくれた熱々のナンとちょっぴり辛いバターチキンカレーが、私にとっての学生時代の味で、スパイス料理入門。
そういえば、学生時代にひょんなことで知り合ったインド人のメンズは、いつも私を「カレーパーティやるからおいでよ。僕のママの味を君にも食べさせてあげたい。君も絶対気に入るから」
が口癖だった。
これは当時の私にとってはカレーは口説かれる時のサイン。
今で言う欧米人の
「ネットフリックスしない?」
的な感じで当時のインド人メンズも使っていたんだと思う。ちなみにカレーパーティーデートは何度も断わったけど、今になって「きっと美味しいんだろうな」なんて、行かなかったことをちょっと悔やんでいる。彼の豆カレー、食べておけばよかった。
そんな「スパイス料理・カレー遍歴編」を経て、30代を超えた今の私を魅了してやまないのは「ビリヤニ」。
そう、少々前置きが長くなりましたが、2021年私の“暇つぶし時間”を楽しませてくれているのは、スパイスカレーでもなんでもなくて「ビリヤニ」です。
ビリヤニは、スパイスカレーとはなんとなく遠い親戚のような、南インドの炊き込みごはん的お料理です。カレーよりも作るのに手間がかかる分、具材とバスマティライスに染み込んだスパイスと旨味がたまらない、インド料理のご馳走メニュー。
初めて食べたのは、9年前位。東京・エリックサウスのチキンビリヤニ。あれが私のビリヤニバージン。ふわっふわのバスマティに、骨つきチキン、パクチーの香り。ライタと言われるヨーグルトサラダと混ぜて食べたり、食べる箇所・混ぜ合わせ具合によって、最初から最後まで一度と同じ味の瞬間がなく「最後まで食べ飽きないスパイス料理」の世界に一気に魅了されたのです。
あれからというもの、カレー屋さんに入って「ビリヤニ」の文字を見つけてはカレーを押しのけて注文する日々。今やすっかりビリヤニっ子の私。
そんな私を知ってか知らぬか、関西に住むグルメな友人が
「絶対にユカリが好きになる、ビリヤニ屋あるから京都おいで!あのビリヤニ食べさせたいな〜」と言われて向かったのは京都。
あれ?このセリフ、インドのメンズに言われた記憶とデジャブか。
また私、もしかして“誘われて”る?
友人は決して口説いているわけではなかったのだけど、ほいほいと大人の財力と時間調整を駆使して、京都まで駆けつけた私。そして、まさにそのお店がこれまでのビリヤニ遍歴の中でのベストワンになったのだった。
京都の繁華街・烏丸から程近くにあるビリヤニ専門店「INDIA GATE」。
毎日数種類のビリヤニラインナップとカレーが日替わりで作られていて、その種類とジャンルは様々。その日手に入った特撰素材を使っていたり、季節の野菜や肉、魚など、アレンジがとにかく無限大。ビリヤニ=スパイスバキバキ!というイメージを覆してくれる。聞いたこともない「鯛出汁ビリヤニ」や「参鶏湯ビリヤニ」などアレンジが斜め上をいっているメニューばかり。
インスピレーションの根源は、ビリヤニやスパイス料理以外の料理ジャンルからインスパイアされているのは一目瞭然。ビリヤニ上級者も、スパイス初心者も楽しめる間口の広さと、種類の豊富さがとってもうれしい。
あれもこれも食べたい気持ちを抑えつつ(友人による「言ってもこれ、米だからな。本当に食べきれるのか?」の言葉でなんとか正気に戻った私)
・鯛出汁のビリヤニ
・チキンビリヤニ
・トッピングに麻婆豆腐&スパイス煮卵
を注文した私。(確かに言うても米。バスマティとはいえ米。食べ終わりには腹パン。)
やさしいお出汁を感じつつも、しっかりビリヤニの軸が残っていて、香りも良くさっぱり新鮮。チキンももちろんスパイスの香りに、チキンのお出汁がばっちり。今までの正統派ビリヤニとはちょっと違う、けれども<しっかりビリヤニ>なお味が、ドキュンと胸をついてくる。そんなビリヤニ体験が味わえます。
ちなみに、ぱさつきがちなバスマティライスは、水分量もちょうどいい感じふっくら。お店の名前にもなっている「INDIA GATE」というブランドのバスマティライスが決め手なのだそう(日本米でいうコシヒカリみたいなこと)。
出会ってしまった、京都に行くたびに食べたくなってしまうビリヤニ。
また京都に行ける「誘い」はないかな・・・なんて思いを毎日馳せている私。
東京に帰ってきてからというもの、自宅では自家製スパイスカレーならぬ、自家製ビリヤニを狂ったように作り続けて、なんとかINDIA GATEの思い出を引きずり続ける私なのでした。
▷INDIA GATEが忘れられなくて帰京した週末に速攻、家で作った自家製ビリヤニ
▷INDIA GATEが忘れられなくて2週連続週末に作った自家製ビリヤニ
ああ、確かに「忘れられない、絶対に私が好きな味」だったよ。
今回は「スパイスの誘い」ついて行ってよかったよ、ありがとう。
ちなみに、東京の人に朗報。
そんな京都の「INDIA GATE」さんが9/22〜池袋西武に期間限定出店するそうです。デパート出店は初めてとのこと。毎日炊きたてのビリヤニを用意してるよ、と聞いてすでに興奮している私。ダイエットについては一旦置いておいて、私も気合いで毎日食べに行く予定。気になる方はぜひ、ビリヤニ食べに行ってみてください。絶対に忘れられなくなっちゃうはず。
(詳細はINDIA GATEさんのInstagramをチェック↓)
■INDIA GATE
〒604-8221 京都府京都市中京区天神山町271
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