メルマガで「格言に惑わされるな」って話を書いた後の話。ちょうどいい話が・・・。
今日、母からメールが来て、梅園を見に行ったら綺麗だったよというので
「桜は貴族。武士は梅が象徴だから、潔よいよね!」と返信したら、
「花は桜木、男は武士」って言うんだから、あなたは間違ってるよと返信がきました。
(スルーしないところが我が母、天晴れです)
それで、長々と説明して、納得してもらったのですが、
簡単に言うと桜と武士を関連づけて考えられるようになったのは、江戸時代からです。
でもね、よく考えてみればわかると思うんですが、
ぱっと咲いて、ぱっと散るなんて、部外者からすれば、カッコいいかもしれませんが、
武士にしてみれば、とっても縁起が悪い花なんですよ。
桜は平安時代から貴族文化で愛されていたんですから、それを武士が好むはずないですよね。
「貴族なんて、チャラチャラしてるから桜がいい、なんて言っているが、俺達は質実剛健の武士なんだから、寒い時期に咲く梅がふさわしいぜ!」
と思うのは容易に想像できます。
(もっと古い、奈良時代では花=梅だったようです)
では、なんでみんな
桜=武士
と思っているのか??
「花は桜木、男は武士」は一休宗純(あの、一休さんです)の言葉、
『花は桜木、人は武士、柱は桧、魚は鯛、小袖 はもみじ、花はみよしの』
から来ているようです。
この文章にはパッと散る美学なんて少しもありません。
「枕の草子」にでてくる、「ものづくし」的なものでしかない。言葉のリズムはいいですね~。
なのに、文章を切り取って
「花は桜木、人は武士」とすると、
桜=武士
のように思えてくるんですよね。
後は、世界大戦のとき、桜は日本の象徴するものという意味を持っていましたから、兵隊さんに「桜のようにパッと散れ」と言いたかったんでしょう。
ああ、こうやって元の文章の意図とは違う意味で、伝わってしまうのね~、と凄く納得。
しかも、「武士はパッと死ぬほうがカッコいいんだぜ~!!死ぬのを怖がんじゃない!」
みたいな、部外者の無責任な思惑に利用されると・・・・。
騙されないように気をつけようね~。
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