キャストが小栗旬、ユースケ・サンタマリア、小出恵介、
塚地武雅(ドランクドラゴン)、香川照之ですよ。

もうそれだけでなにかありそうですよね。

脚本が『ALWAYS 三丁目の夕日』で日本アカデミー賞を受賞した
古沢良太氏の書き下ろしっていうのも期待を持たせますよね。

映画って、脚本とキャスティングが悪かったら、どれだけ監督に力量があっても
絶対に面白いものにならないと思っているから、それに期待できる映画だと
ちょっとワクワクしますよね。

で、見た結果、やっぱり期待は裏切られませんでした。
面白かったぁ。

舞台のような一場面だけの映画で、出演者もほとんどこの5人。
(まぁ回想シーンとか若干出演者がいますが、実質この5人)

見るからに一癖も二癖もあるような連中が、
ヲタ臭ぷんぷんさせて謎の死を遂げたアイドルの一周忌に
集まって、その死の謎を解くって話。

その設定の通りのドタバタコメディなんだけど、
とにかく、一つ一つの台詞や小道具に次の展開につながる伏線が隠してあって、
サスペンス映画として見ても一級の面白さ。

徐々に明らかになる5人の男達の正体、心理描写に天気を利用する演出。
本当によく出来ています。

その上、狭い空間の中で、全員がレベルの高い独特の演技を見せてくれる
出演者たちもアツい。ラストでみんながヲタ芸を打つ所なんか、
妙な感動すらありました。

なにしろ最初から最後まで、たった一つの部屋の中だけで話が進むのです。
出演者、演出、脚本、どれか一つでも完成度が低ければ
絶対に成功しなかったでしょう。

コストパフォーマンスも高いけど、どれだけ難しいことをやってるねん!

でも、それを感じさせずに大笑いさせてくれるところが
この『キサラギ』のすごさなんですけどね。