土曜日に見た『ミッドナイトイーグル』です。

「ホワイトアウト」という映画が面白かったので、期待していたのですが、
どうやら私の勘違いみたいで、脚本の方だけ同じなのですね。

だから比較するのもあんまり意味はないのですけど、
メインの舞台が雪山なので、やっぱりつい比較してしまいますね。

で、結論から言うと、この映画は俳優さんの熱演をのぞけば
誉めるところが私には見つけられませんでした。

もうね、ネタバレって基本しないようにしているんだけど、
この映画だけはどうでもいいや。

まずこの映画、アルプスで起こっている事件と、
根っこが同じ事件が平行して東京でも起こっているんですが、
この2つの物語のテイストがまるっきり別の映画なんです。

アルプスの方は、ものすごくシリアスに進んでいきます。
逆に東京の方は、完璧にB級映画のノリ(ノリだけ)。

某国の工作員が簡単に素人に人質を奪還されるわ、
女性記者が拳銃ぶっぱなすわ、なんでもあり。

シリアスの方のアルプス側でも、工作員に待ち伏せされた
フル装備の自衛隊小隊が全滅しているのに、丸腰の新聞記者が
なぜか襲われても無傷で逃げ仰せているとか、
時間を追うに従って、むちゃくちゃになってきます。

そうすると今度は東京がなぜか突然公安がでばってきて
事件解決→首相官邸対策室に移動で、突然、藤竜也さんの
重厚な緊迫した演技に変わります。

後半はアルプスがB級テイストで東京がシリアステイストなんです。

で、どっちもものすごくテンポが悪い。
B級のノリも勢いも、シリアスな緊迫感も、
すべて間の抜けた演出ですっ飛んでしまってます。

あっという間にやられて1人だけ生き残った自衛官が
突如、スーパーマンになったがごとく、ばったばったと敵を打ち殺す?!

爆弾処理に向かったはずの自衛官なのに、爆弾を分解できない?!
犯罪に使われる時限爆弾なんかと違って、
兵器の爆弾なんてたとえ核爆弾でも構造は簡単ですよ。

自衛隊の救助ヘリ(戦闘要員積み込み済み)が、
任務も命令も無視してあっさり帰還する!?

30人に囲まれたろう城戦で、見方が1人死んでいる状況で、
戦闘を放棄して無線で長々と話してるかって!

しかも30人もいる敵さんも、なぜか囲まずに1方向からしか攻めない。

もうバカバカしくて一々取り上げる気にもなりません。


でもねぇ、大沢たかおさん、良かったですよぉ。
あと久々に見たけど吉田栄作さんも控えめながらいい顔でした。

そして、なんと言っても藤竜也さん。
こんなバカバカしい映画でも、彼が子役に語りかけるシーンなんかは
思わずグッと来ましたもの。

あれくらいの覚悟と決断力をもったリーダーが日本に欲しいと思いました。

竹内結子さんも、冒頭の喫茶店のシーンではなんかブッサイクなんです。
まぁ、久々のお仕事で顔が緩んでいるって感じでしょうか。

それがあっという間に輝く笑顔になっていたのには驚きました。
やっぱ、華のある女優さんですねぇ。


ですから、それぞれのファンの人は見るのを止めません。

けど、そうでない人はこの『ミッドナイトイーグル』、お勧めしません。


最後まで読んでくださったあなたに、全ての良きことが雪崩のごとく起きます。