癒快堂・ヒーリングセンター

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丸亀駅徒歩2分の鍼灸治療院・健康茶工房・セラピールーム

 ラジオ体操的な太極拳に飽き足らず、本格的な太極拳を探して、中国人の先生に個人指導を受ける幸運が訪れました。基本の套路を一通り教わったところで、先生の教室に長年通っている生徒さんで推手の個人レッスンを受け始めた方がいて、私も練習相手として、一緒に推手を教わるようになりました。1年も稽古していないのに、あこがれの推手を早々に学ぶなど、またもや幸運なことでした。

 推手の練習は四正推手を定歩や活歩で、力を抜いて柔らかくするのがメインです。カタチだけはそれなりに覚えてくると、何か物足りなさを感じ、別に競技推手に手を出し始めました。まだ初心なので力まかせに、まさに手で推す相撲のような感じです。普段は力を抜く稽古ばかりしているので、力いっぱい推す快感がありました。しかし目標は当然、力を使わず相手を崩すことに変わりはありませんが・・・

 先日、競技推手の大会に始めて参加させて頂きした。武術オタクの集まりで大変勉強になり良い刺激になりました。本格的に太極拳を始めて2年にもなっておらず、技術が無くさらには体力も衰えており、当然よい成績をあげることなど出来ませんでした。

 「ボコボコに負けてきました。」と動画を見て頂きながら、先生に報告すると、「推手の大会に出る勇気は素晴らしい。でも勝たなくちゃね!」と厳しい御指摘がありました。弟子が下手なのは先生の責任で恥と考えられる方なので、今回の弟子の無様な姿は許し難いのだと思われます。

 「次回は負けないように!!」と先生からの推手の指導に力が入ってきたように感じます。一緒に推手を練習している兄弟子がコロナでお休みで、先生とマンツーマンの実戦的な推手の特訓となりました。

 学びが大きくありました。前足重心と後足重心、攻めるラインと守るライン、腰からの移動、相手の肩口をとる、など大切なコツのようなものを教えて頂きました。

 そんなななかで套路で苦手な動作が、推手を学んだことでクリアになってきました。私は套路の中で左構えの弓歩になると、腰が左に流れる癖があり、先生からいつも注意されていました。推手の稽古時に前足重心になった時の構えを、三尖相照(鼻、膝、つま先を一直線にそろえるように)で指導されてから、套路でも同じように三尖相照を意識すると腰が左に流れないことに気づきました。

 以前、套路の中でも三尖相照は教わったのですが意識から完全に抜けていました。推手で相手の抵抗を受けて、三尖相照を実際に体感することで、套路の中でも意識化されすくなり、からだの使い方も修正されたように思います。

 推手と套路を両輪に稽古を深めていくことが太極拳の本来の姿だと思うので、私にとっては貴重な経験となりました。