あたし・主婦の頭の中 -4ページ目

あぁ懐かしの教習所

街で、自分の前を教習車が走っていたりすると・・・






ついつい口に出してこう言っちゃう・・・。







あっ、単なる独り言ね。

でも、言った後に後悔するの。

車を運転する人なら、誰でも通る道なんだって。

自分だって、教習所に通っているとき、

こんなんだったわ。






大渋滞巻き起こしながら、

その先頭を走ってたじゃないって。






そう、大学生になった春、

私は希望を胸に教習所の門をくぐったわ!!




●免許を取ってもポルシェなんて乗れないけど・・・



ねぇ、ヤングな皆さん知ってる?

昭和・・・私が教習所に通っていた時代、

オートマ限定免許なんて存在していなかったのよ!

全員、有無も言わせずマニュアル車教習!!


マニュアル車に乗ったことがある方ならご存知だと思うけど、

アクセルとクラッチ・・・この接続が難しくてね・・・。






アクセル全開のバリバリで、

今にもジェット機みたいに飛び立ちそうなくらい

けたたましい爆音を響かせているものの・・・






そのタイミングが一向につかめず・・・






そして、意を決して、左足を外せば・・・






すごい振動と共にエンストだよ!


そして、また例によって教官は呆れた顔でこう言うの。






私は・・・っていうと、一応反省したような顔をして・・・






でもね、心の中じゃ、いつだってこう叫んでいたわ!!






あぁ~教習所に来るのは憂鬱・・・。


でもね、周りの友達はね、何だかとっても楽しそうなの。






あっ! ここで昭和ワンポイント講座①

(問)上の女性が手に持っている赤い帯状のものは何でしょう?


正解は?






当時の大学生、所持率高かったわよ。

いかにも私頭良いです! 

って雰囲気を出すために、

私なんかわざと

難しげな教科書を表紙にして持っていたわ。

                

      昭和ワンポイント講座①終わり



「えー! 何で? 何で教習所が楽しみなの?」

そう聞くと、






うっそー! 

教官にフミヤ? 貴一? そりゃ楽しみになるよ!

またある友人は言ったわ・・・






う・・・ん、ベンツか。いいな~皆楽しみがあって・・・。


うちの教習所なんて、車はただの国産セダンだし、

教官も・・・有名人に似てると言えば・・・






渥美清か柳沢慎吾とか・・・。

私だって、教習所に時任三郎似の教官がいて・・・






なーんて言ってくれたとしたら、

愛のクラッチ繋ぎまくり、

絶対にエンストしないと思うんだけど・・・。


でもね、夏休みが近づくに連れ、

周りの友達はどんどん免許を取得していった。

得意げになってこんなことを言う。






昭和の車の典型的なキー。

それをチリンチリンさせながらね・・・。


素朴な疑問だけど、なんでこーゆー時、

人間は心の底は得意げなのに、

あえて辛そうな演技をするの?

(あんただって、そうやろ!)






私だって、免許を取ったら、

すごくすごく辛そうに言いたいわ!





私は決心した!

一刻も早く免許を取ろう!


やがて周囲が「チリンチリン辛そう族」で

埋め尽くされる日も近いはず。

せめて「チリンチリン辛そう族」会員ナンバー1桁を目指して頑張ろう!


そのためには、

これから1つの教習も落としてはいけないわ!


だからね、私はちょっと前、

かなりスムーズに免許を取得した

高校時代の友人Y子に

アドバイスを仰ぐことにしたのだった。


 



するとね、さすが先輩。






オーバーアクション?


そう! オーバーアクションなの!

例えば、左折する行為の時だって、

あえて声に出して言ってみるの!


仮にきちんとやっていても

教官がそれを認識してくれなきゃ合格はもらえないわけでしょ?


だから!!






きちんとやってますから! と示すためにも

大きな声を出して言うのよ! わかった?






次の教習日。私はY子に言われたように

きとんと大きな声で言ってみたわ!




●駅員さんのような口調になるのはなぜ?



Y子のアドバイスはすべて的を得ていて、

素晴らしかった。


私は、どんどん教習課程をクリアしていったのだ。


そして・・・かなり大きな穴場である踏切を渡る教習を

明日に控えた前夜。






教習所の踏切は、坂の上にあった。

Y子は真剣な声で私に言った。






ここでも肝心なのは、オーバーリアクションよ!






そしてね!!






わかった! よーく聞くわ!

うん! うん! それで?

うん! うん! わかったわ! 






翌日、私は踏切に差し掛かる坂を上ったわ。

サイドブレーキを引き、窓を開けた。






昭和ワンポイント講座②

ヤングな皆さん、知ってる?

昔、ほとんどの車が手動で窓を開けていたってこと。

こんなレバーが付いていて・・・

回転させて窓を開けたの。






私が免許を取って最初に乗った車も手動だったの。

でも、まわりにはチラホラ電動の窓が登場し始め・・・

見栄っ張りな私はね、

いつも窓を開ける時、大変だったわ・・・。






外にいる人たちに電動であることをアピールしたわ。


ホントは、必死でレバーを回していたんだけど、

外からは悟られないように・・・。


それはまるで優雅に泳ぐ白鳥のように・・・。






足元は見せないで、優雅に泳ぐ、あれね・・・。

暑くても信号待ちまで窓が開けられない、

窓を開けるにも一苦労な時代だったわ・・・。

                

        昭和ワンポイント講座②終わり



さぁ、話は戻って・・・

私はY子が言ったとおり、窓を開け、

とてもオーバーに電車の音を確認したわ。






そして次!!

そう! Y子が言った。






最重要ポイントね!!

私はオーバーリアクションでやったわ!






そしたら、教官が私の肩を叩いて、






何をやっているかですって?

そんなの見りゃわかるじゃない。


あっ、もしかしてこれも教習に一部なのかも。

きちんとその理由が答えられないと

合格はもらえないってわけか・・・。


私は答えたわ。






そしたら、教官ったら、また質問よ!






ど、どーしよう! 






えっと・・・えっと・・・

私は苦し紛れにこう言った。






そしたら、教官は怒りだしちゃって・・・






その日は、合格印もらえずに教習時間が終わってしまった。






その夜、私はY子に電話したわ・・・。

すごい落ち込んだ声で・・・。






そう私がY子に報告すると、Y子は押し黙った。

私が合格印もらえなかったから、責任感じているの・・・?






すると、いきなり受話器の向こうから

クククククク・・・・

笑い声が聞こえてきて・・・






普通そんなこと信じないでしょ? って・・・ 






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


追記:

その後、私は自分に続けと第二、第三の被害者を出すために、

教習所に通い始めたという友人知人に「踏切を渡る時のアドバイス」を

したんだけど、皆口を揃えてこう言うの。

「ハハハ・・・ありえない」って・・・。

普通信じないものなの? それ信じた私って・・・


ピュアじゃん!!(号泣)


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懐かしい教習所・・・。今どきの若者って、車に興味がないって? 電車の方が時間に正確だし、安上がりだしって?信じられない! キーチャリンチャリンやって、異性の気をひこうとは思わないわけ? えっ?今のキ―はチャリンチャリンじゃないって?