私の実母は4年前にガンで他界した

 

ガンが発覚したころ、私のお腹に長女がおり

治療中は自分の子供のことで精いっぱいで、母に対して

十分に、思うようにできなかったことを悔いているけど

そういう気持ちでいることは実母は嫌がるだろうなと思って

極力しないようにしている

 

でも時々、特に何も考えていないとき、車を運転しているときが多いけど

ふと、母の痛みを取ってあげられていたらなぁと思ってしまったりする

 

1歳に満たない娘を連れて、病院にお見舞いに行くときは

病院にいる母に会う前に、病室の廊下を歩くとき

「これがお母さんの日常なんだ、いつも通りいつも通り」

と心に言い聞かせてから会うようにしていた

 

病院の最上階に、見晴らしの良いレストランがあって

調子がいい時には、娘と私と母でよくランチを食べた

 

娘(孫)の成長を何よりも喜び

よく天使みたいに可愛いと言ってくれた

父曰く、私や娘の訪問を母は何より喜んでくれたと

それで十分だと言ってくれた

 

抗がん剤治療で副反応が抜けると

母は猛烈にリハビリに励んだ

足に腫瘍がもともとあり、歩けなくなっていたから入院しながらの抗がん剤治療だったので

何とか歩けるようになって家に戻りたかったんだと思う

 

母は頑張り屋さんで、本当に一生懸命リハビリしていたので

見ていて、もっと休んだらいいのにと思うほどだった

リハビリしてくれる病院の人が、妻夫木くんに似ていて

リハビリでお話するのが楽しみで、その人との会話をよく教えてくれた

(母は妻夫木くんのドラマが大好きだった)

 

リハビリにより、随分歩けるようになって

12月ころだったかな、家に2週間ほど帰っていたこともあった

その期間は、娘と私と父とで過ごした

時々、姉一家や兄一家が遊びに来て

楽しいひと時を過ごした

 

でもやはりまた入院して、治療して、という日々が続いた

良くなるけど、またすぐに少し悪くなる

そういう事の繰り返しで、母の強靭な忍耐も耐えられないほどだと思った

 

でも、それらが日常となると、その中に楽しみや喜びもあって

それらを増やせるようにと思っていた

 

 

母は、私が大学生のころ、よく宅配便でいろいろなものを

段ボールに詰めて送ってくれた

時々遊びに来ると、温泉宿に泊まったり、たくさん美味しい食べ物を食べた

学生時代を過ごした長野は、両親との旅行の思い出もたくさんできた

 

silentというドラマを見て、思うわず泣いてしまった

今回の話は、母と子の関係性が多かったので

私の母と自分を重ねてしまった、

実家から帰るときにお母さんが作ったもの(栗ご飯など)をたくさん持たせているところなんか

なんか懐かしいなと

 

母の愛情は、本当に大きかった

自分が母になって思うのは、私には到底及ばない、すごい人だったということ

愛情・子育て術・日々の努力、すべてにおいて母のレベルには到達できない

 

私は栗狩りが好きで、よく母と一緒に栗狩りをした

たくさん採れると、母は栗ご飯や渋皮煮・甘露煮を作ってくれた

今にして思うと、大変なことなのに、本当に毎年作ってくれた

 

年に5回くらいは、旅行(キャンプ)に連れて行ってくれた

朝、寒いのに一人で起きて朝ごはんの準備をしてくれた

遅く起きてきて寒いというと抱っこして体を温めてくれた

旅行先で眠れないと、テントから出て夜のお散歩に連れて行ってくれた

北海道だったと思うけど

空には満天の星空で

お母さんの手を握って、星がきれいで、特別なお散歩で

すごく印象に残っている

 

スキーにもよく連れて行ってくれた

私が急斜面を降りれずに泣いていると下から登ってきて抱えながら一緒に降りてくれた

斜面を滑るとき、私はフォーーーー!!とか叫んでしまうことが多く

それをお母さんがめちゃくちゃ爆笑していた

スキー場で誰かが叫んでると思うと、必ず私が下りてくると

 

たくさんの母との思い出を思い出してしまった

silentのせいだな

 

 

 

 

現在治療中の夫の母は、治療をするたびに良くなってきている

掃除や洗濯など、できることはやっていて

寝ている時間も減ってきた

でも、炊事だけはやる気になれないのよ、、、と言っていた

やる気にならないことはやらない方がよいと思う

できるだけ前向きになれるように

前向きになって何かやりたい、と思ったときにできればと思う

 

例えばこの間、買い物に行きたい、本屋に行きたいとおもむろに言ったことがあり

でもすでに夕方で、小雨が降り寒かったので

今日は難しそうね、という話になった

次の日は晴れていて暖かったので

買い物に誘ったが、やめておく、ということだった

前の日に連れて行った方がよかったのかな、、、とどちらが良かったのか今も分からない

 

体も心にも波がある

難しいこともあるけど、私は

おいしいごはんを作って、子供たちとたくさん遊んで

ぐっすり寝て、毎日を過ごそうと思う