エアコンつきだから、この時期でもそこまで暑くなくて快適な時間。
ラジオからはバッハの「主よ、人の望みの喜びよ」が流れ始めてああ、この曲だったかと。
私は映画「シャイン」の曲だと思ってたけど違った。
これは結婚式とかでながれる曲だな~厳粛で…と、田園地帯を通りながら聞いていた。
ふとそのとき、この曲は数百年まえから、遠い異国の地で、冠婚葬祭に流れたであろうことを想像した。
この曲にのせて、たくさんの人の涙や笑顔があったであろうことを想像して、無性に泣けてきた。生きる人も死ぬ人も、そこに「日常」が存在していただろうことに。
時が流れ、作られたのとは全く異なるこの地で私が耳にしていることの奇跡。のどかすぎるほど、のんびりとした街並みと陽気に幸せな厳粛さが重なった、素晴らしい空間だった。
それだけで胸が一杯。
そんな思いで涙を拭こうとしたら向かいから来たのは彼だった。
通勤時、出くわすのは初めてのこと。
シンクロニティ。