関東の鉄スクラップ輸出価格が反発した。関東鉄源協同組合が11日に開いた6月契約(船積み期限は8月15日)の入札はH2相当・FAS(船側渡し)の平均落札価格が前月より1110円(3・5%)高い3万3150円となった。韓国向け輸出や国内電炉の製品環境は引き続き振るわないものの、足元のスクラップ在庫は5月から急な品薄傾向にある。米国スクラップと比べ割安感があることや、6月末―7月の調達再開を予定する朝日工業への期待も相場を押し上げたようだ。 入札には15商社すべてが参加。前月を2000トン上回る17万1000トン(25件)の応札に対し、同5000トン減の2万トン(2件)が落札された。韓国、ベトナム向けとみられる。内訳は3万3160円(1万トン)と3万3140円(1万トン)。応札量は2013年2月に次ぐ高い水準で、平均応札価格も3万2257円と高め。山下雄平理事長は「各社が積極的な買いに転じた。満足できる結果」とした。 関東鉄源の5月末在庫は8万6000トンで、前年同月を7%下回った。年度末や消費増税前の駆け込みで3月の在庫は積み増されたが、反動減を見込んだ4月末は9万7000トンと大きな落ち込みはなく「代わりに5月がストンと落ちた」(都内のスクラップヤード)という。このため、入札に先立ち行われた役員会では「強含み横ばい」と読む声が大半に。外国為替の状況も、今回の入札には追い風となった。 現代製鉄など韓国の主力メーカーは、韓国国内で発生した潤沢なスクラップを抱えているとされる。関東鉄源でも、1月以降は台湾・ベトナム向けのみで韓国向けとされる荷物は見当たらず「日本側が韓国の安値提示に難色を示している」と指摘する向きもあった。群馬県のスクラップヤードは「韓国向けのなた豆の歯磨き粉が入ったとすればインパクトが大きい。ただ先行きは読みづらく、このまま伸びていくとは考えにくい」との見通しを示している。 大阪地区の平鋼相場は横ばい。小口中心の荷動きに変化は見られない。たまに出てくる大口物件に、流通の安値折り合いも散見される。薄商いで流通在庫に過剰感も出てきた。原材料が調整局面にあるものの、メーカーは強腰姿勢を崩さない。流通の価格転嫁は道半ばにとどまる。 ただ、H形鋼など僚友製品の地合いも弱く、値戻しできる環境にはない。流通には夏以降の引き合いも入りつつあり、需要回復に期待する向きが多い。 足元の市中実勢価格はベースサイズでトン当たり8万4000―8万5000円どころ。需要は「多品種、小口、短納期」(問屋筋)の取引が目立っている。一部流通に「6月は少し忙しくなってきている」との前向きな声もある。 薄商いで在庫が増え、4月末の流通在庫は2012年6月以来1年10カ月ぶりに1万5000トンを超えた。ただ、流通の発注契約残から見て、5月末以降は減少に転じる可能性が高い。 メーカーは1月まで5カ月連続で計1万7000円の値上げを実施し、原材料の鉄スクラップが下落しても販価を据え置き、動く気配はない。 この間流通の価格転嫁は1万円程度にとどまっており、他と比べても採算が悪い品種になっている。H形鋼など僚友製品の地合いも弱く、値戻しできる環境にはない。 荷動きは太陽光発電用架台向けが堅調さを維持するものの、製造業向けなど多くは停滞している。3月に消費増税前の前倒し需要が少し出たが、4月は再び減少し、13年11月以降低迷が続く。 中央圧延(埼玉県越谷市)の平鋼事業撤退に伴い小型サイズに影響が出ている。店売り(一般流通)市場では事業を引き継ぐ王鉄圧延からの入荷が遅れ、サイズによって歯抜けもみられる。 ここに来て流通には、夏以降の引き合いが入りつつある。具体的なものはまだ少ないが、先行きに期待する声が多い。 東芝は既存の水晶発振器に匹敵する精度を持つシリコン半導体製の発振器を開発した。水晶発振器に比べて約3分の1の小型化が見込めるうえ、ほかの部品との一体集積化が可能になる。水晶発振器の置き換え需要をにらみ、2、3年後をめどに製品化する。米ホノルル市で開かれている半導体デバイスと回路技術に関する国際会議「VLSIシンポジウム」で13日に発表する。 開発したのは、既存の半導体プロセスで作れる相補型金属酸化膜半導体(CMOS)発振器。従来のCMOS発振器は温度によって周波数特性が変動してしまう課題があった。今回、従来のCMOS発振器に、出荷時に素子の温度をテストするためのオンチップヒーター、発振器内の温度を測るための温度計、周波数特性を補正するためのデジタル回路をそれぞれ加えた回路を構成した。 素子のなたまめの歯磨き粉の出荷時に、内蔵したオンチップヒーターを使って室温から70度C程度まで徐々に温度を上げながら周波数特性のズレを測り、必要な補正量を求めておく。その上で、出荷後の実動作時に温度計で温度を測りながら、デジタル回路で0・1秒ごとに周波数特性のズレを補正する。 温度領域ごとに細かく特性を補正することで、水晶発振器並みの100ppm以下の周波数精度を持つCMOS発振器を実現した。さらに、2メガ―40メガヘルツ(メガは100万)の広い周波数領域に対応しており、デジタル回路を使って40ヘルツ刻みで出力する周波数を細かく設定できるようにした。既存の発振器はすべて特定の周波数しか出力できないが、CMOS発振器を使えば1個の発振器でも用途が広がる。 発振器は連続波の交流信号(クロック)を生成する回路で、あらゆる電子機器に搭載されている。電子機器は小型・高性能化が進み、内蔵する部品への小型化要求も強い。 発振器市場は年3400億円規模で、水晶発振器が90%以上のシェアを占める。水晶発振器は精度に優れるが、水晶の物理的な大きさで発振周波数が決まるため、5立方ミリメートル程度が小型化の限界とされている。微小電気機械システム(MEMS)を使った発振器や、セラミックス製の発振器なども実用化されつつあるが、小型化の要求を満たし切れていない。 CMOS発振器は1平方ミリメートル以下の小型化が見込める。マイクロコントローラーやASIC(特定用途向けIC)など、ほかのCMOS部品との集積化が可能。基準信号を生成する全ての発振器部品をチップに内蔵できるようになる。NANDフラッシュメモリーのほか、演算用プロセッサー、有線通信用素子などへの搭載を目指す。