僕たち兄弟は逆境が好きみたいや。
新幹線もほとんどが禁煙になって…喫煙ルームなるもんが大賑わい。タバコ吸いながら雪国を徐行運転の車窓から、普段では気づかない大儀をゆっくり見つめことが出来る。
何本も何本も吸うオヤジを見て…『顔、土色やん。タバコ控えたらええのに』そう考えながら、僕は2本目をやめる。
250km/hを諦めてると、いろいろことが見える。誰かのことを考えるのは決して大切な女のことではない。静かな時間に浮かぶのは一番心配な人のことで、言葉の使い方のように頭を巡らせる。
ガキの頃、実姉は不良レッテルで戦士かと思うくらい強く見えた。一年振りの自殺未遂はためらい傷ではなく、その心の痛みを僕の肺に入れて来る。あと数年で僕の身体は凍りつくやろな。
でも男は誰にも助けなど求めない。
夢もある。希望もある。
いつしか飛び込んで来るもんしか受け止めなくなった。


