朝、CNNを見ていると世界最大のEMS(電子製品の製造受託サービス)
である台湾企業のホンハイ(Foxcom)について触れていた。
CNNでは、世界動向に関する映像に大きな強みがある。
シリアの現状も見ていたが、本当に、
悲惨な状況下に置かれていることが映像から分かる。
国がおかしくなると、そのツテは国民に振りかかる。
早く負の連鎖から脱却をする必要性がある。
さて、ホンハイに話を移そう。
ホンハイと言えば、
米アップル社のiPadなどの製品を作っていることで有名だ。
米アップルは、コンテンツ事業に資源を注いでおり、
製造に関しては、全てを委託した形で生産している。
ホンハイに関して言えば、
2つの問題点がある。
1つ目は、「労働環境」についてである。
「ホンハイは、中国人従業員を蔑ろにしている」――。
これは、2010年に深圳工場(広東省)の宿舎で
中国人従業員の連続自殺が多発したことから批判を強めていた。
そして、その問題が今だに解決されていないことから
米アップル社やHP社が、
さらに改善に努めていくという表明を出したのだ。
2つ目の問題は、「賃金上昇」である。
これは、労働環境の改善と共に、従業員の基本給を大幅に引き上げた。
これが所謂「ホンハイ・ショック」である。
そして、その話は瞬く間に労働市場に流れ
中国人労働者がバーゲニング・パワーを握ることを覚え始めた。
その結果、労働状況改善を求めるストライキが
中国各地で行われるまでになったのだ。
しかし、中国政府は労働組合を認めていない。
つまり、このようなストライキは、
労働者たちが勝手に行うようになったのだ。
そして、何よりも「ホンハイ・ショック」で何が変わり始めたのか?
それは、中国政府が最低賃金上昇における決定に便乗したのである。
そうしなければ、政府自身にツテが回ってくるからだ。
中国政府は2月8日、2015年までの5か年計画で、
最低賃金を毎年13%以上引き上げる方針を打ち出した。
従って、最低賃金が5年間で2倍近く上昇する計算になる。
実際、10年前の2002年の広東省の最低賃金では500元程度であったが
今では、3倍近くの1500元まで上昇している。
もはや、この流れを止めることができなくなり、
各企業は、人件費という魅力が薄れてきているのだ。
それと同時に、中国国民における
出稼ぎ労働者に大きな変化が生じてきた。
詳しくは、もうすぐ電子書籍で配信される
「20代のうちに知っておきたい 変わりゆく現代中国」
をチェックしてもらいたい。
【第6章 出稼ぎ労働者の「苦悩」と「将来性」を考える】
そして、現地での調査を通して言えること。
それは、「中国政府の打算」「企業側の対応」「労働側の要求」という
3つの関係性が、より複雑化してきたという実態である。
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