さて、chaper2では、自分のフィールドで戦う、という事について書いていきます。

chaper1でも触れたとおり、自分のフィールドで戦うという事は非常に大切です。
いかに中~終盤力があろうとも、序盤で致命的な差をつけられてしまっては
鍛え上げた終盤力も泣くというもの。

逆に序盤で大きくリードを広げてしまえれば、中盤以降も「リラックスして」指す事ができます。

この、「リラックス」が何よりも重要。

だんだん読みが深く複雑になっていく中盤以降では、雑念が入る事が一番の敵です。
普通にやっていれば勝てたものの、形勢不利であるがゆえに悪手を指してしまう。

そういった経験はありませんか?

今回は、そういった悩みを打破すべく、戦術において幅広く解説していこうと思います。



①相居飛車-お互いに飛車を元の筋で使う。
②対抗型-こちらが居飛車、相手が振り飛車
③対抗型-こちらが居飛車、相手が角交換振り飛車
④相振り飛車-お互いに飛車を振る戦法、振る筋は三間・向かい飛車が多い。

です。

まず、①相居飛車の特色とその性質から。

A:横歩取り・・・定跡が比較的整備されている為、研究型に当たると記憶の戦いになりがち。
       序盤から一気に終盤に突入することもあり、盤面全体を使った激戦になる。
      
B:相掛かり・・・定跡書が少なく、これを苦手とする居飛車党も多い。
       必勝戦法があるとすればひねり飛車だろう、という言葉も有名。

C:相矢倉 ・・・今の流行では、先手が主導権と持ち、後手が受けにまわるものが多い。
       そのため、アマでは後手が変化し、攻勢に出る展開もよく見られる。
       矢倉は将棋の純文学であるという名言がある。

D:角換わり・・・角換わりの戦法は大きく分けて3つ。早繰り銀、腰掛銀、棒銀。
       うちいくつかは先手有利の結論が出ており、研究の価値はある。
       アマでは角の打ち込みに気をつけながら戦う神経戦になりやすい。
       また、最近では後手から角交換する、「一手損角換わり」も多々見られる。

②対向型について。

A:対四間飛車・・・通常の四間飛車、穴熊対策の藤井システムとバリエーションが豊富。
        ただし、現状では対策が進み、普通に進むと居飛車有利になりがち。
        広瀬プロの得意とする四間飛車穴熊は有力で指す騎棋士も多い。

B:対三間飛車・・・華麗な捌きを信条とする振り飛車党が愛用する。
        プロでの勝率は低めだが、プロほどに定跡が浸透していないアマでは
        有力な戦法の一つである。
        コーヤン流・カナケンシステム等が有名。

C:向かい飛車・・・変化の中で振る事になるケースが多く、これを狙っていく振り飛車党は少ない。
        穴熊対策として有力な面もあるので、バリエーションには入れておきたい所。

D:中飛車・・・中央に飛車を振るが、ノーマル中飛車は攻めより守りに主眼を置いた指し方。
      風車戦法などが有名だが、現在指す棋士はとても少ない。

③対向型・角交換振り飛車について。

A:石田流三間飛車・・・押しも押されぬ先手角交換振り飛車の花形。
          振り飛車の最善形と呼ばれる石田流本組から繰り出される攻撃は
          圧倒的な破壊力を持つ。
          穴熊対策としても非常に優秀。

B:ゴキゲン中飛車・・・最近対策が進んできているが、まだまだ振り飛車党の主力戦法。
          角交換振り飛車のもう一つの砦であり、高い火力が持ち味。

C:その他角交換振り飛車・・・ダイレクト向かい飛車や、ダイレクト四間飛車、
             白色レグホーンスペシャルもこれにあたる。
             いずれも火力が高く、主導権をとりやすい。

④相振り飛車
        ・・・振り飛車党が避けて通れない関門。
        今まさに定跡が急速なスピードで練り上げられている、進化の渦中にある。
        矢倉、美濃、銀冠、金無双など、囲いも豊富であり、非常に面白い戦型。
        大駒交換から打ち込み合う振り飛車党得意の展開と打って変わり、
        駒組みから縦に玉頭をえぐり合う、相居飛車に近い感覚が問われる。

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他にもまだ戦法はたくさんありますが、主要なところはこのあたりでしょう。

この中で得意な戦法を組み合わせて、序盤のセオリーを組み上げる事が何より大事です。
以下に例を挙げて起きます。


①居飛車オールマイティ型(バランス+終盤型)

先手でも後手でも居飛車でいく、「全ての戦法を受けて立ちますよ」という指し方。
まだ序盤が固まっていないのであれば、
相掛かりの選択肢は回避し、横歩取りの研究を深めておくのが推奨。
矢倉、角換わりについても同様だが、対振り飛車の研究が多岐に渡るため、
比較的浅い段階で研究を切り上げ、中~終盤力を磨くほうが効率が良いだろう。

対振り飛車にも全て対策を練っておく必要がある。
こちらもまだ序盤が固まっていない段階であれば、「穴熊の正しい組み方」を抑えておくべき!

絶対に王手のかからない穴熊は、永久に使える強力な武器となる。
鉄壁の守りから繰り出す豪腕が穴熊の醍醐味です☆


②ノーマル振り飛車型(守備+序盤型)

四間飛車、三間飛車、中飛車共に、こちらから角道を止める振り飛車は、
攻めよりも守りに軸を置いた戦い方になるだろう。

居飛車が急戦でくるのであれば、大駒と左銀を交換し、それを打ち込んで横から攻める。
持久戦でくるのであれば、相手の豪腕をいかにかいくぐり、乱戦に持ち込むか。
現状では、居飛車穴熊が猛威を振るっており、穴熊に組まれた時の勝率は低い。

ただし、序盤の研究がしやすいという側面があり、穴熊側もゆるい組み方をすれば、
一気に崩壊させる藤井システムやコーヤン流という指し方もある。

蝶の様に舞い、蜂の様に刺す、といったイメージですね♪


③角交換振り飛車(攻撃型+バランス)

先手番の最有力はやはり石田流だろう。
居飛車は普通に穴熊に組んでいると、振り飛車の理想形に苦しむ展開になる事が多い。

後手番では工夫の余地があるが、プロではゴキゲン中飛車が多用されている。
よって、ゴキゲン中飛車は研究戦になる事も多い。

よって、角交換振り穴やダイレクト向かい飛車を推奨したい。

角交換振り飛車は、一気に攻め切る爆発的な火力が持ち味!
これを嫌っている居飛車党も多数存在します。

美濃や穴熊で守備力も高いので、使いこなせれば強力な武器になるでしょう。

④そして、相振飛車
これに加えて、振り飛車を軸でいくのであれば、相振り飛車を知る必要がある。
ただし、相居飛車に比べて相振り飛車の定跡はまだ進化途上なので、
研究で負けるという機会は相居飛車に比べれば少ないのではないでしょうか。

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まとめ。

①居飛車(バランス+終盤力)研究量が多い為、中~終盤力の向上に比重を置く。
②ノーマル振り飛車(守備力+序盤力)序盤でに比重を置き、リードを広げる。
③角交換振り飛車(攻撃力+バランス)序盤の研究がしやすい、攻め将棋の型にはお勧め。
④相振り飛車(バランス+腕力)攻めの形を覚えたら実戦を繰り返す。攻めの感覚が生命線。

今回はChapter1の戦術の部分を少し掘り下げた内容を記事にしてみました。

ちなみに、アマチュアでは横歩取りや、ゴキゲン中飛車超急戦など、
短手数で、かつ研究の勝負になる戦型は避けたほうが良いと思います☆

研究戦になると、「自分のフィールド」で戦う趣旨から外れてしまうからですね。
戦法確定のアドバイスなども必要であれば行いますので、興味がある方はコメント下さい。

初段未満から~二段をうろうろしている方であれば特に、力になれると思います!