20年近く高齢者福祉の仕事をしてきて感じるのは、
私がこの仕事を始めた頃よりも、明らかに寿命が伸びているということです。
今、私が勤めている施設でも、
新たに入居される方のほとんどが90歳以上。
入居者様の平均年齢も90歳を超えてきました。
元気にご自身の足で歩ける方もいらっしゃいますが、
ベッド上で1日のほとんどを過ごし、
食事の時だけ起き上がり食堂へ向かう方も少なくありません。
その姿を見ながら、数年前から
「私がしていることは、本当にこの方の望む生き方なのだろうか」
そんな疑問が、心の片隅に浮かぶようになりました。
そんな中で起こったパンデミック。
もし自分が感染したら――
もし施設の高齢者に感染させてしまったら――
休日でも外出を控え、
防護服を着て介護にあたる日々。
以前は、月に一度のお誕生日会やお茶会、
ボランティアの方による音楽の時間など、
施設の中には自然と笑顔があふれていました。
けれどパンデミック以降、
家族でさえ会えない時間が続き、
介護士も入居者様も、
明らかに笑顔が減っていったのを感じていました。