だからこの本も内容を知らずに図書館に予約した。
予約してから内容を知って、テーマが苦手だったのでキャンセルしようか…迷った。
借りて来た後も、読もうかどうか悩んでいたら、
長女が先に読んでみると。
で、「大丈夫だと思うよ。読めると思う。」と言うので、読んでみた。
テーマは「過労自殺」
いわゆるブラック企業に勤めて、精神的にも肉体的にも追い詰められ、まともな食事もとれず、睡眠もとれず、亡くなってしまう。
その後、残された家族が企業と戦う話。
その、亡くなるまでの過程をすごく丁寧に書いてある。
そこまでで約半分の200ページ。
夢を持って、目的を持って就職し…頑張りたい、乗り越えたい、何とかしたい、どうしたらいいか分からない。
その中でも彼女との時間を大切にしたくて、彼女の力にもなりたくて、
なのに、眠る時間すらない。
どんどん心がすり減っていく、その過程を読んでいる間、苦しくて仕方がなかった。
あまりにも書かれている毎日が辛すぎて、こちらは最初から死んでしまうって分かって読んでいるので、そこから戦う話だって分かって読んでいるので、何て言うか…語弊があるのは承知だけど…早く死んで楽になってほしい…みたいな気持ちにさえなった。
亡くなった後の家族は強かった。
私にはこの強さはないなぁ…と思った。
生きてる間ならいくらでも戦える!
私はこの千秋になれる。
大企業相手に戦う気力も勇気もある。
でも、死なれてはお終い…。
悲しすぎて、辛すぎて、死んじゃった事実を受け止めるだけて精一杯で、戦う気力なんて残らない。
死んじゃってからでは遅い。
子供の頃から真面目に生きてきた人だからこそ追い込まれる。
優しい人だからこそ、周りに心配をかけないように1人で頑張ってしまう。
フィクションではない。
現実にこんな人たちはたくさんいる。
ニュースや新聞で報じられた人たちだけでもない。
今日もどこかで苦しんでいる人がいる。
飲食店だけではなく、誰かが楽しむためのその場所で、食事もとれず、眠れずに働いている人がいるなんて思いたくはない。
せめて、ちゃんと声を上げられる社会であってほしい。
今は「働き方改革」だの「ライフワークバランス」だの言われているが、実際にはまだまだだ。
上にいる人には分からない。
年収1千万も2千万ももらっている人や、政治家には分からない。
サービス残業をして、休日出勤をして、家に仕事を持ち帰り、それでも余裕のある暮らしなんてできない人たちの生活。
夫が1日8時間、週に5日働いたら、子供を養って普通に暮らせる世の中であってほしい。
そしたら結婚率も出生率もきっと上がるのに。