施設で育ち姉と弟のように生きる2人。
姉は弟のことを思い、弟を助け、でも弟がいないと生きていけない。
その姉に守られて生きて来た弟は姉を幸せにしたいし、自分も幸せになりたい。でもうまく生きられない。
うまく生きるってなんだろう。
こういう本を読むと真っ当に生きることって本当に難しい気がしてくる。
道が2つに分かれてる。
正解はこっちと分かっているのに、どうしてもあっちにしか行けない。
そんな人たち。
楽しみや幸せは後からやってくるんだよ。
正解が分かっているなら、今は辛くてもそっちを選ばなきゃだめなんだよ。
そう思いながら…。
でも、どうしてもお金が必要だったら
どうしても相手を守りたかったら
私にもそういう選択も有りなのだろうか…と思えてくる。
そうやって生きている人が現実にたくさんいるんだろうと。
間違えた選択だと分かっていても、それが幸せに繋がらないと分かっていても、
それでもそっちを選ぶしかできない人たちがいるのだろうと。
そういうことを納得してしまう、そんな小説。
多分不幸な話…なのに悲しくはなかった。
それは不幸だけど一生懸命生きていて、幸せになることを諦めていないように思えるから。
まだやり直せると、
生きてさえいたらやり直せると、そう思いたい。