こんにちは!
ずいぶんご無沙汰してしまいました。
リヨンで、学生生活を送っていたので、思っていたより勉強がきびしくて(笑)、ブログを書く時間があまりとれなかったのです。

前回のシャロンから、8月1日にはリヨンへ。
2ヶ月の語学講習を受ける事と、マリオネットについて知る事が目的!



マリオネットの主人公『ギニョール』はリヨン出身。
路上で生まれ、はじめは大人向け、社会風刺的、そして戦争を経て、検閲を逃れるために子ども向けへと姿を変えて、いまはほぼ完全に子ども向けとなったマリオネットのシリーズです。



こんな舞台もあったりとか。
こういう文化土壌のうえに、いま、カミシバイが輸入されているんだなあ~と納得です。



マリオネットの保管方法(笑)
いろんなマリオネットがずらっと壁に並んでいるのです。圧巻!

さてギニョールとの出会いを堪能する間もなく、今度はオーリヤックの大道芸フェスティバルへ。
夜行列車と電車を合わせて11時間の旅を経て、火山のふもとの街へ辿り着くとそこはお祭り騒ぎ。アヴィニョン、シャロンと比べてもはるかに、若々しいエネルギーに満ちた、まるで火山のような場所でした。



今回は、わたしもちゃんとプログラムされていたので、決まった時間に決まった場所で紙芝居を。
カミシバイをしている人は私の他に2人ほどいらしたみたいです。
こちら、紙芝居師「マドモアゼル」!街灯紙芝居の美しいところだけを更に美しく凝縮したような感じで、とってもおしゃれ!!



さてさて、オーリヤックから戻ると、大学を続けつつ、こんどは、アヴィニョンで知り合ったマリオネット作家さんのところで、マリオネット制作の研修を!
これはほんとにラッキーな出会いだったのです。やっぱりアヴィニョンは魔法の街…!

独自の方法で、マリオネットと、そして役者さんのためのマスクを作っている彼女。かつてはずっと中学の美術の先生だったそう。
気の長ーーーーい作業を終えて、出来上がった私の青い小鳩マスクはこちらです。




この作家さんは「怖いくらいのほうが、生々しくて良い」という哲学の持ち主で、わたしも影響されたかな…?

そんなこんなをしている内に、紙芝居の新作も作りました。
『赤い小鳥』



今回は、全編を台詞だけで構成してみました。「芝居」感をちょっと意識…
お話は暗いです。ちょうどこれを描いている間に、わたしの13年間飼っていた小鳥が日本で亡くなってしまったりと、9月初めはダメージの大きな時期でした。



とはいえ紙芝居も続け。8月は国中バカンスムードで、リヨンにも外国人しかいない印象でしたが、9月になると新学期。学校の活動も始まり、ご縁あって小学校で紙芝居をしたり。



リヨンにある日仏文化交流センターで紙芝居をしたりしていました。



そこで知り合ったフランス人のお母さんは、紙芝居を子ども達と手作りしているそう!!
すてき!!!

こちらは、紙芝居を手作りしているイギリス人のかた。



もはや紙芝居舞台そのものが芸術品。



これは、息子さんのデッサンをもとに、木を嵌め込んで作ってあるそう。
紙芝居の中身は、7歳の息子さんの作品。すてき・・!




さて9月後半はこの作品の仕上げにかかりきり。
ヌーヴォーシルク(サーカスに芸術性を持たせた運動)の一線で活躍していらしたジャグラー、レミ・ラルシーニさんとのコラボ公演を、10月20~23日にアンスティテュ・フランセ東京(東京日仏学院)で行うのです。
(ぜひいらしてくださいね!!)
去年のアヴィニョンで知り合った方で、コーディネータさんともアヴィニョンで偶然知り合ったので、本当にアヴィニョンマジックです。
http://www.institutfrancais.jp/tokyo/events-manager/jonglage/

ということで、その作品を仕上げるとすぐにパリへ。
パリから… 電車で北部の街Thionvilleへ向かい、子ども向けの施設で紙芝居とワークショップもしました。



0歳児とママさんに向けてや、もう少し大きな子たちへのワークショップなど。代表の方の息子さんがとっても可愛くて賢くて、鞄にとても興味を持ってくれて、最終的には「ぼくが運ぶ!」と…



胸キュン!!

さて、パリに帰ってくると、あああ!!
とうとう仕上がりました!!!!!



「やんごとなきヒグマのエリー姫」、絵本になりましたああーーーー!



装丁のデザインがお洒落ーーーー!



ラストシーンも粋な計らいを……!!!!!

今日、手元に届いたのです。
感激です。

http://www.boutique-lirecestpartir.com/sa-majeste-princesse-elise-yuiko-tsuno,fr,4,7037.cfm

さて、色々な土産を手に、もうすぐ日本への帰国が近づいてきています。
日本でのスケジュールは、とりあえず 10月20~23日に、アンスティテュ・フランセ東京での公演があります。
あとは、長野県伊那谷の自然にまた出会いに行ったり……30歳になったりします。笑

30歳になるまでの最後の20代の時間。思う存分、いろいろなことが出来て、まだまだ小さいですが形にも出来たので、思い切って冒険して本当によかったと思っています。

そして、さまざまな「Kamishibai」を見て、またリヨンでの沢山のマリオネットや紙芝居にまつわる経験を経て…、いま思うのは、「紙芝居」って世界的に見たら、そんなに特別なものではないんだなっていうこと。
もちろん特別だし、独自の歴史もあるし、紙芝居にしかできないことはたくさんあるのですが、なんていうのか…、紙芝居だからといって、他の物より優れているということもないし、神聖であることもないし。というのは、私がちょっと「紙芝居」を神聖視していたところがあるからなのですが…(日本発信、みたいなね)
世界中にある「絵解き」のなかの一つの形として、たくさんの兄弟や姉妹のなかのひとつとして、みんなと仲良くしていくことは、きっともっともっと、できるんじゃないかなって感じています。

とくに、リヨンにある「ガダーニュ美術館」での紙芝居や、色々なマリオネット、「Theatre de papier」(直訳して紙芝居…フランスに19世紀ごろあった、小さな紙の劇場」などのとの出会いが、視野を広げてくれました。



扉の片側を閉じたり、透明なシートを使ったりと色々斬新だった、ガダーニュ美術館での紙芝居。



フランスにおける「紙芝居」(Theatre de papier)。文字通り、紙で出来た劇場で、子供用のおもちゃだったそう。

……という感じで、とにかく盛りだくさんなこの2ヶ月でした。
いまは、とにかく自分の作品の質を上げよう!!それだけを大切にしよう、と考えています。

東京でお目にかかれるのを楽しみにしております~!