私がテントでどうやって薪ストーブを使っているかを説明します。



ランドロックでもネヴィスでも、ウッドストーブサイドビューMには二重煙突をつけ、テント生地に穴を開けて、ランドロックは水平タイプ、ネヴィスは45度傾斜タイプのフラッシングキットを取り付けて、そこに煙突を通しています。
二重煙突とテント生地の間は300℃まで耐えるシリコンゴムが隔てており、直接触れることはありません。

 


そしてどんなにストーブの火力を上げた状態でも、二重煙突の表面は100℃を超えることはありません。

このフラッシングキットと二重煙突により、テント生地と煙突の接触による焦げや溶損の可能性を完全にゼロに抑えています。



なお、どちらのテントでも、フラッシングキットは他の幕体からなるべく遠く、かつポールや張り綱で支持される位置になるべく近くなるような位置に取り付けています。これは強い風でテントが押されても幕体が煙突に触れないようにするためで、特にネヴィスは煙突がテントの中心近くから出ています。



追加煙突はネヴィスのときは1本、ランドロックのときは2本足しています。

二重煙突でも高さを稼いでいるのでそれぞれノーマルから2本、3本高くしている状態です。

これだけ高くすれば、ほとんどの火の粉は煙突の先端から出る前に火が消え、万一火がついたまま煙突先端から噴き出した火の粉があっても、テントに落ちる前に消えます。

 



ランドロックのほうは煙突の直下部分にカーボンフェルトのスパッタシートを敷いています。

本来は溶接作業時の養生に使うもので、耐熱限界は500℃です。

一般に煙突が高い場合はロープで支える必要がありますが、フラッシングキットが煙突の支えになっているため、ネヴィスの高さであれば多少の強い風でも煙突の支線は不要です。

ランドロックのフラッシングキットのほうが煙突をよりしっかり保持する形状になっており、ネヴィスより1本高い煙突もがっちりホールドします。

風の強いときは多少揺れることもありますが、それ以上の問題はありません。

写真はペグの位置とロープの長さの確認のため、実際にロープを張ってみたときのものです。

 

燃料の薪はコメリの35㎝ニセアカシアに限定しています。

販売店や購入時期により乾燥度にばらつきがあるので、購入して自宅の軒先でしばらく乾燥させてから使用するようにしています。

ニセアカシアはナラほどではありませんが、広葉樹ならではの火持ちのよさや煤の少なさがあり、多少湿っていても爆ぜがほとんどありません。

 

これらの措置により、火の粉の落着によるテントの溶損の可能性を限りなくゼロに近く抑えています。

 



ウッドストーブMはスペシャルパッケージに同梱されていた防火シートを敷いて使っています。またお湯の要不要にかかわらず、常にウォータータンクに水を入れてそばに置いています。

 

これらの対策により、地面に熱が伝わったり、扉から転げ落ちた熾火で枯葉や枯草に火がつくのを防ぎ、万一火がついたときもすぐに消せる準備をしています。

 



ランドロックもネヴィスも全周にスカートがついており、降雪時には気密性が高くなるおそれがあるため、一酸化炭素警報器も常に稼働させています。

ただしこの警報器は今まで、バーベキューコンロで燃えている木炭や、アイドリング中の車の排気ガスに反応したことはあっても、ウッドストーブ周辺で反応したことはありません。

 

薪ストーブメーカーもテントメーカーも、テント内に薪ストーブを入れて使うことは一律に禁止しています。

その一方でネットではテント内での薪ストーブ使用は自己責任で、と言いながら実際に使っている人がアップした情報がたくさんあります。

そして残念なことに、それらのほとんどがテントの焦げや溶損のリスクのある使い方であり、中には実際に焦げたり溶けたり、ひどいときは燃えたりしている例もあります。

そろそろメーカーも一律に禁止したり自己責任として逃げたりするのではなく、安全に薪ストーブをテントで使うための方法をきちんと周知するほうが、キャンプ業界の成熟と持続に資するのではないかと思います。


(追記)

フラッシングキットの穴は薪ストーブを使わないときはステンレスのフタをネジ留めするのですが、私は曇りガラス状のプラスチック板に交換して、明かり取り窓風にしています。