海を抱く~BAD KIDS~ | 今だけ( >ᴗ<)و ̑̑ チョットだけ( >ロ<;)و ̑̑

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 こんにちは!( ・ㅂ・)و ̑̑ yui-yuiです!

 

 わたしは村山さんのファンとは言えないまでも、『おいしいコーヒーのいれかた』シリーズの第一期五冊程と、『天使の卵』、『青のフェルマータ』、を読んできました。
 『海を抱く』と『青のフェルマータ』は村山作品の中でも抜群に好きな作品です。

 以前もどこかで書いたかもしれませんが、『おいしいコーヒーのいれかた』はラノベらしく、確かに他作品と比べると低年齢向けに書かれていると思います。
 明確な線引きはどこですれば良いのか、わたしには判らないままですが()、文学小説だろうとラノベだろうと、面白かったらわたしは何でも良いので気にしていません。

 たしか『おいしいコーヒーのいれかた』は、発刊当初、『ジャンプノベル』というジャンプの名を冠した小説でしたので、対象年齢も中高生から大人まで、というような内容なのかな、と思います。

 今回の『海を抱く』は文学小説ですので、大人向けです。
 読み返したのは今回で3度目ですね。
 この作品もまた、線引きは良く判らないのですが、年齢制限を設けた方が……。
 と思うくらい激しい性描写が描かれています。
 村山さんの作品は性描写が激しいのも特徴の一つだと思います。

『おいしいコーヒーのいれかた』でも、直接的な描写はないものの、女性ながら、良くもあんなに男性心理を知っているものだ、と思うくらい……(´・ω・`;)

 ですが、特に別にそこが”売り”な訳ではないでしょうから、つまらない前置きはここまでとしておきますね。

 さて本題ですが、この海を抱く~BAD KIDS~は映像化もされた『BAD KIDS』のスピンオフ作品です。
 わたしは本編のBAD KIDSを読んでいませんが、読んでいなくても、何ら問題はありません。

 サーフィンでプロを目指す一七歳の少年、光秀くんと、学校では優等生で通っていながら、自分が普通とは違うことを思い悩む一七歳の少女、恵理ちゃんのお話です。
 
 端的にテーマをあげつらってしまえば、恋愛、同性愛、性別、性欲、セックス、ドラッグ、癌、死、尊厳死、家庭問題、などが大きくテーマとして盛り込まれています。

 一言で言ってしまえば『人の人生のいくつかある重大な問題』が色々と取り上げられ、凝縮されています。

 主人公の光秀くんと恵理ちゃんの一人称で代わる代わる語られる、本人たち中心の、等身大の悩みの、『現実という背景』として、そうした人間の普遍的なテーマも上手に表現されています。

 人の死、というのは誰しもが避けられない問題。
 作中で光秀くんの父が言います。
『人間の死亡率は100%だ』と。
 そんな誰しもが知っているけれど、中々実感を伴って理解することができないことが、読んでいるとリアルさを伴っているように、感じられました。
 読む年齢によって感じ方もまちまちなのだと思います。

 以前読んだ時は、考えもしなかったけれど、今回は『親の死』から、『自分自身の死』まで少し考えてしまいました。

 それと、下世話な話になりますが、村山さんは女性ですが、男性の性的真理というものをとても理解していらっしゃるように思います。
 それは、事実実態がどうだかはわたしには判りませんし、恐らく村山さんご本人もお解りにならないこともあるでしょう。
 ですが、フィクションのお話ですので、それはそれで良いのだと思います。
 うそでも騙せれば勝ちだと思います。

 冒頭でも少し触れましたが、『美味しいコーヒーのいれかた』でも感じたことです。
 仮にじゃあ、わたしが男性の性的真理を、わたしなりにものすごーく詳しく描いたとして、いやいやyui-yui、それはねーわ、と言われるほど現実と食い違っていたら、それは作品としてもフィクションとしても出来が悪いです。
 ですが、まぁ、こういう奴もいるかもなぁ……。と思わせられればそれは勝ちでしょう。
 それにはもちろん、調査、リサーチなどが必要不可欠なのでしょうけれども……。

 まぁわたしの話はどうでも良いとして、男性の性的真理の事実実態は、男性にしか判らないことなので、この小説、いや光秀くんの心理が本当なのかどうかは判りません。
 批判的な方はもちろんいらっしゃるでしょうし、賛同される方もいらっしゃるでしょう。

 逆に、女性真理としてはどうか。
 年齢的なこともありましょうけれども、恵理ちゃんはとても、かなり、性欲の強い子だと思います。これにはもちろん個体差があるので、わたしの性欲が低いかのもしれません。
 ただし、一旦体を許しても良い、と思った人相手とするとな……。
 やめときます(´・ω・`;)
 ただ、いうなれば女性真理もまた、個体差、くらいにしかわたしは感じなかったです。 

 わたし的には『こういった個人(個性)もいる(ある)んだろうな』と思う程度でしたが、何事もテンプレート通りではない、ということくらいは誰にでもわかることでしょうし。

 それと村山作品に触れていると、時折目にするのですが『この強烈な性描写、要る?』という意見。
 『海抱く』に限って言えば、必要だったと思います。いえ、必要不可欠ですね。
 『青のフェルマータ』では、……無くても成立したかな……?
 と思っています。

 ですが、不要なことは書かないのが小説。
 村山さんはプロの作家さん、しかも直木賞作家です。ご本人が要らない、余計だ、と思ったことは書かないと思います。
 わたしのような素人では判らない機微があるのでしょうし、隠された意味が有るのでしょう。
 そこをどう読み解くかは、読者次第、という側面もあります。
 ただ、あんなのただのエロ小説じゃねぇか、と作品を悪戯に貶める意見は、嫌ですね。
 例えそう読み取れたとしても、言い方というものがありますし、そのシーンだけを切り取って、物語の全体像を見ようとしない意見は好きじゃありません。

 読後感、思いにふける、というのは小説を読んだ後の楽しみの一つでもあります。
 良い作品に出会えて、その読後感、物思いにふけるというのは中々幸せな時間ですね。

 わたしが読んだことのある村山作品は、登場人物が、己の内へ内へと意識を集中させる登場人物が殆どです。
 今回の光秀くんや恵理ちゃんもそうですね。
 特に恵理ちゃんにはその傾向が強いように思います。

 なので、そうした生の感情がたっぷりの村山作品の登場人物は、作品の登場人物、というよりも、等身大の人間なのです。
 
 わたしは女流作家さんの中では、ファン、とは言い難いですが、江國香織さん、宮部みゆきさん、村山由佳さんが好きです。
 でももちろん各々作風は全然違いますし、そこに登場する人物も違います。
 中でも特に、村山由佳さんの作品の登場人物は、生々しい人間感が出ていると思います。

 見習いたいなぁ、と思いつつ、まだまだ、足元にも及ばんなぁ、と痛感しています。
 書くのも読むのも、まだまだ、まだまだ、全然足りていません。
 プロになろう、なりたいとかではなく、ウェブ上で公開する程度のものなのだとしても、今はそれがわたしの全てですし、わたしの作品を、時間を使って読んでくれている方々に、少しでも報いたい、と思っております。

 うぉー!とにかく修行じゃ!
 努力に勝る天才ナシ!

 では!また!(`・ω・´)ノシ