今週末に行われるCanada Islamic Historical Month Multicultural TeaFest カナダイスラム文化歴史月間多文化お茶まつりにご招待されてお点前を披露することになったのだが、それの宣伝ということでテレビのインタビューに呼ばれてスタジオでお点前をしてきた。


5年前の日本ブースの写真。左からマニトバ大教授、お琴師範、小生、マニトバ名誉勲章受賞者、マニトバ日系名誉賞受賞者、元カナダ日系人協会副会長、外務省青年招致事業同窓会副会長(妻)、と名だたる御銘をお持ちの皆様の中の「無銘」の自分である笑


このお茶まつりはカナダ政府とマニトバ州政府の後援で行われており。今回8年目で私は2年目からボランティアでお手伝いに参加している。過去4回ほどお点前を披露させて頂いた。お茶と言えばの日本、中国を初め、東南アジア、南アジア、中東アジア、エチオピア(コーヒー)、欧州等、約二十カ国にルーツを持つ住民が参加する一大文化イベントに成長した。


私は以前はマニトバ州の日系カナダ人協会常務理事だった事もありカナダでのテレビの出演は初めてではないが、スタジオでのお点前の撮影はやはり緊張した。日本で言えばおはよう日本的な番組である。テレビでは映画の様に何度も撮影しない為1発撮りが基本であるのを知っているので尚更緊張してしまう。また立ってテーブルでお茶を点てるのは初めてであった。



当日は茶箱のお点前である雪点前を披露してお茶を紹介した。茶箱とはいつどんな時でもお茶を一服できる様に考案された外出用のお茶セットで、裏千家では花、卯の花、月、雪、の四季のお点前と他2種類、合わせて6種類がある。季節を先取りして紹介するのが良いとされているので現在は秋だが仕覆を扱う雪点前を選んだ。


実際には15分もかけてお点前を見せるわけにはいかないのでお抹茶を入れるところから始めた。やはりお茶は畳の上で落ち着いて立てるのが一番だと思う。


争いごとの中の安らぎのお茶

この茶箱だが、現在もご健在の鵬雲斎師が戦時中特攻隊に志願し飛行場にて練習中や出陣する同輩にお茶を点てたことでも有名である。お茶は明治10年までは男の嗜みであった。本来は武士が教養を養う為の道だったのだ。

同じ雪点前を同輩の特攻隊員に差し上げている千玄室(鵬雲斎)


今年の4月に100歳になられた鵬雲斎大宗匠であるがついこの前はオーストラリアで平和献茶を披露してその健在さを示して下さった。オーストラリアのお茶友達は懇親会に参加して一緒に写真を撮っていた。羨ましいかぎりだ。


戦と平安の中にお茶は常にあるのだが、その争乱の中に一時の安らぎをもたらす事が出来るのもお茶だけなのかもしれない。