「外、寒かったでしょ?今日、買い物に行った時、寒かったわ・・・・・。」
「そうだね。風邪ひかないように気をつけてね。」
僕は口元に微笑みをたくわえた。
「うん。」
彼女は小さく頷き、ステーキを口元に運んでいた。
その時、僕は、北海道行きのチケットを買ったことを思い出した。
けれど、言い出すのが怖かった。
僕は、彼女の本心をまだ知らない。
彼女の心をかき乱したくなかった。
”どうかしたの・・・・・?”そんな目つきで美冬は僕を見つめていた。
その眼差しは激しい熱を解き放ち、僕の心をわしづかみにして、
そして僕の隠そうとしていたものを、じわりじわりと暴露させる。
「あのさ、今日、北海道行きのチケット買ってきたよ。」
「・・・・・そう・・・・・・・。」
彼女の表情が少し曇った。
そして美冬は心を閉ざし、僕をジッと見つめている。
「ホテルは、すすきののスターホテルのセミスイートなんだけど、どうかな?」
「ふ~ん・・・・・。」
美冬は違うことを考えているようだった。
「それとも、やっぱりやめるかい?今だったら、まだキャンセルできるしさ・・・・・。」