会社に着き、自分のデスクに向かっても、しばらくは、彼女のことが気になったが、もう最近では、それも、自分の中では整理されていることだった。

僕は書類の山に埋もれるようにして、仕事の忙しさと美冬の煩わしさを摩り替える。


美冬は僕じゃない・・・・・。


会社が終わりかえりの道すがら、僕は旅行代理店に駆け込んだ。

、美冬と約束した、北海道でクリスマスを過ごすための飛行機のチケットとホテルを予約するためだ。


飛行機は二十四日夜、羽田発、七時十五分、帰りの千歳空港は夜の七時五十分に発つ便を往復で予約し、ホテルは、すすきのにある、スターホテルのセミスイートを三泊四日分、予約することが出来た。


旅行代理店の受付の女の子に

「向こうは、もう雪が降っていますが?」と、そう尋ねた。


彼女はにっこりし、

「ええ・・・・・・・。」と、そう言ったきり視線を外し黙ってしまった。


クリスマスは本当に北海道に行くべきか、それとも美冬の本心を聞いてからにすべきなのか、僕は、まだ迷っていた。


彼女の様子が変わったのは、その話が出てからだったし、彼女には、本当は、別の予約があるのかもしれないと思えるふしもあった。


帰りの電車に揺られながら、不安と寂しさばかりが、僕の胸を抉りとるようだ。


彼女は北海道に行くだろうか・・・・・・・?












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