考えあぐねた末、待つ以外になかった。

何だか馬鹿らしくなってきた。


”嘘吐きだな・・・・・。”

僕は彼女に初めて憎しみの感情を抱いていた。


”愚かだよな・・・・・。”

一人の女性を心から思い続け、傷付いては自分を偽っている。

忘れてしまおうか。 もう帰ってこないでおくれ。


けれど、忘れられるわけないじゃないか。

これ以上、もう何をしても無理だったとしても。


時間は心臓の鼓動の激しさと、僕の溜め息の中を、どよめきながら流れていった。

その日は、いくら待っても美冬からの連絡もなく、帰ってもこなかった。

彼女の部屋にも何度も電話したが、彼女はいなかった。


僕は待つことに疲れ果て、いつの間にか眠っていた。

目覚めたのは午前四時半を少し過ぎた頃だった。

僕は彼女が消えてしまった寂しさに耐えきれず、目覚めるとすぐに彼女の部屋に電話した。


電話の呼び鈴が五回鳴った後、誰かが電話をとった。












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