「そうよ。だから今度、約束すっぽかされたらね、もう忘れたほうが私のためだからって友達のアドバイス・・・って言うのかな、・・・してくれて。そしたら案の定、あなたは約束すっぽかしたの。・・・嘘吐き・・・。」
「えっ?いつだっけ?」
「ちょうど、ケンちゃんがアメリカに行った後だと思うわ・・・・・。」
思い出した。
美冬と出逢った頃だ。
「ごめん。用事があったんだよ。」
「どうせ、他の女の人との用事でしょ・・・・・。」
「まぁ、・・・違うとは言えないけれど、君の考えているような付き合いの子じゃないよ。」
「まあっ!・・・どうでもいいけど。で、今、その子と付き合ってるわけ?」
「違うってば!」
「どうせ、その子にふられたんでしょ?あっ!図星だ。自業自得よ!また、その女の子の他にも色々な女の子と付き合っていたのがバレたんでしょ?」
「全然違うよ!今度は結構真面目に・・・・・まぁ、いいじゃないか。」
「何よ。馬鹿みたい!」
晴美はふてくされて背を向けた。
「誰が馬鹿みたいなんだい?」
「あなたのことなんか好きにならなければよかった。他の女の子と付き合っていても、私にわからないように。あなたって嘘が下手なんだもの。好きになった方が損しちゃうわよ。」
「ごめん。」
晴美は、その一言に傷付いたようだった。
「あやまらないでよ。嘘吐き。」
僕は黙って服を身に付け始めた。