「隠さなくてもいいのよ。私が説明したらわかってくれて、剛造さんも怒っていたもの。いくらなんでも、私がそんなことをするわけないじゃない!酷いわ・・・。それに他の女の人が出来たなら別れてもいいと思ったのに・・・。私と会っていない間に、彼にそんな人が出来たって不思議じゃないものね・・・・・。でも、そんなの勘違いだって彼は言うし・・・・・・・。あっ!あのマンジョンもどうしようかと思っていたのにな。」
「・・・・・そうだね。」
「どうしたの?」
美冬は、しょんぼりとした僕に気付き、僕の顔を覗き込んだ。
「何でもないよ。で、剛造さんとは、どうするつもりなんだい?」
「うん、もう少し時間をかけて話し合うことにしたのよ。私の気持ちも、もっと整理して考えてみたいし。」
「じゃあ、僕らは、もう会わない方がいいのかな。」
「えっ?どうして?裕行さんは、そうしたいの?」
「ううん。そうした方がいいのかと思ってさ・・・・・。」
このままじゃ、僕が振り回されてゆくだけしゃないか・・・・・・・・・・。
「私、もっと色々と相談にのってもらいたいの。勝手なお願いかしら・・・・・?」
僕は酷く疲れてしまった。ちくちくと頭をつつくような頭痛がする。
「何だか、顔色が悪いわ。大丈夫?」
美冬は僕に身体を摺り寄せてきた。
「平気だよ。」
僕は素っ気なく答え、彼女の身体から逃れた。
「じゃあ、私、もう帰るわね。」
「あぁ・・・・・。」
「なんか来ちゃって悪かったかしら?ごめんなさいね。」
「いいんだよ。」