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上機嫌な日々

「上機嫌に生きたい」けど、現実には文句とグチばかり。
ただただ日々の覚え書きなつれづれ日記。

どちらも、平家一門・清盛の異母弟“平頼盛”による謎解き物語です。

 

まったく存じ上げなかった作者さんでしたが、きっかけは以前新聞で、同じ著者による『歌人探偵定家:百人一首推理抄』の書評を読みまして、その主人公の歌人・藤原定家とバディを組むのが「平家一門の生き残りである平保盛」であると知りまして、その平保盛の父親である平頼盛を主人公とするやはり謎解きモノが2冊あると知りまして、、、

 

そんなこんなで、先にこちら2冊を読んでみよう、と思ったわけです。

 

①羽生飛鳥 著

『蝶として死す:平家物語推理抄』2021.4

 

 

〈紹介文⇩〉*******************************

 

平清盛の異母弟にして一族の裏切り者・平頼盛、謎に挑む。
首のない五つの死体からの被害者当て。
帝の庇護下にあった寵姫毒殺。
『平家物語』の時代ならではの謎と、その真相を描いた連作集。
第15回ミステリーズ! 新人賞受賞「屍実盛」を含む歴史ミステリ~

平清盛の配下である童子・禿髪は、なぜ惨殺されたのか?

 首のない五つの死体から、どうすれば探している人物を特定できるのか? 

帝の庇護下にあった寵姫を、どのようにして毒殺したのか?

 ――不可思議な謎に挑むのは、清盛の異母弟にして一族の裏切り者・平頼盛。

平安時代ならではの、前代未聞の新しい謎を描いたと話題を呼んだ、第15回ミステリーズ!新人賞受賞作「屍実盛(かばねさねもり)」など5編を収録。

新鋭が贈る歴史ミステリ連作集

(受賞時の齊藤飛鳥名義より変更)。

 

羽生飛鳥 著

『揺籃(ようらん)の都』2022.6

 

 

〈紹介文⇩〉*******************************

 

1180年。

平清盛は、高倉上皇や平家一門の反対を押し切ってまで、京都から福原への遷都を強行する。

清盛の息子たち、宗盛・知盛・重衡は父親に還都の説得と、富士川の戦いでの大敗を報告するため、清盛邸を訪問するが、それを機に邸で怪事件が続発してしまう。

清盛の寝室から平家の守護刀が消え、平家にとって不吉な夢を喧伝していた青侍が切断された屍で発見され、「怪鳥を目撃した」という物の怪騒ぎが起きる。

清盛の異母弟・平頼盛は、異母兄に捕縛を命令されていた青侍を取り逃した失敗を取り戻すため、甥たちから源頼朝との内通を疑われる中、事件解決に乗り出すが……。

 

2冊とおしての〈個人の感想です⇩〉**************

※ネタバレありです

 

いやーーー面白かったですw

 

平家物語というと、例によって学校で「きおんしょうじゃのかねのこえ~~」を暗記させられた覚えと(でも九九と同じく、ああして声に出して暗記させられたフレーズって忘れないものですね~)去年かな?けっこう夢中になってみたアニメ「平家物語」⇩しかご縁がなく…

 


 

(アニメは架空の少女・びわちゃんが主人公でしたが、そのびわちゃんの魅力&声の悠木碧さんの魅力と、実在した主役・平重盛の魅力&声の櫻井孝宏さんの魅力と、主題歌・羊文学さんの主題歌の魅力&&&etcetc…←ともかくホントによかった~)

 

ハナシがそれそれですが凹

 

平清盛の異母弟である平頼盛が謎解きをするこの2冊。

1冊目は短編集ですが、どれも読みごたえあり、根拠のあるナットクの謎解きなところがもやもやしなくていいですね。

2冊目は長編ですが、次から次へと複数の「謎」が折り重なって、いくら頼盛がキレ者であっても「こりゃムリでしょ~」みたいな謎だらけ状態を最後にスッキリ解決する爽快感。

 

1冊目の紹介文に「平清盛の異母弟にして一族の裏切り者・平頼盛」とありますが、いろいろあって(←めんどくさいw)「裏切り者」として一族の大大ドン・清盛から干されてて、でも都合よく重宝がられてもいて、頼盛一家の安全安心はひとえに、いかに清盛を怒らせず出しゃばらず「どんだけお役にたつか」にかかってる…というつら~い立場なんですよね。

 

2冊目の長編では、清盛の3人の息子たちがスキあらば叔父である頼盛に手柄を立てさせまいと足をひっぱったり、敬うどころか下に見て皮肉たっぷりイヤミたっぷりに接したり…と、やっぱり頼盛推しで読んでしまうこちらとしては清盛の息子たちにムカついてばかりw

 

でもそこは百戦錬磨・屈辱に耐えて一家の安寧のために身を処してきた頼盛さん。

皮肉もイヤミも受け流し、家人である忠義ひとすじ平弥兵衛宗清(たいらのやへいひょうえむねきよ)(←長いw)(頼もしくてまっすぐでめっちゃいいひと♫)を強い味方に、ときにはハッタリもかましつつなんとか謎を解きます。。。

 

(ここで出てくる清盛の3人の息子~いちばんデキる息子だった長男・重盛〈←アニメで主人公だった櫻井さんの声の方ね〉は亡くなってしまっています~残る3人・宗盛、知盛、重衡もアニメに出てたので、そのビジュアルで想像しつつ読めて楽しかったです)

 

(とまぁ…重衡いがいは“〇盛“だらけでわかりにきぃーー凹)

 

が・・・・

そもそもが清盛のむちゃぶりで謎をとくよう厳命され、その謎が無事解けたのだから感謝されるところ……

 

うぅぅーーー大大大タヌキですね。

それもこれもが自分の息子たち可愛さからの所業・清盛の手のひらで転がされてただけと知らされ……。

 

タイトルの「揺籃(ようらん)」とは「ゆりかご」のことなのですが、物語りの背景には歴史上ごくごく短期間におわった「福原遷都」があり、謎解きのあとのどんでん返しのあと、頼盛が「では“福原”は、宗盛(わたし注・清盛の息子)を棟梁として育て上げる“揺籃の都“にすぎなかったのですか。」と驚愕の思いで清盛に問いかける場面があります。

ここではじめてタイトルの意味がわかりました。

 

……とまぁ、頼盛にとって悔しいばかりの謎解き物語で終わる、、、と思いきや…(←え?まだあるの??)

 

さらにさらに、最後の最後にまたもどんでんがえしがwww

 

やったーーー!!と、すっかり頼盛推しとなった身には「スッキリ」で終わってよかった~となります。

いやーー粋ですね著者さんwww

 

さて、おつぎ「歌人探偵・定家」を読むのが楽しみです!