続けてエレクションの2本目を見ました。
2本続けてみるとね、思うのは、ジョニー・トーって絶望感しかないよなぁということ。そういうところが好きなのよ。男同士の絆も好きなんだけど、それが決して楽でも賢くないかもしれないと思いながらもそういう風にしか生きていけない人間たちの物語。そのあたりがものすごく好き。性癖にぐっさぐさ刺さってくる。
前作で映像の美しさに感動したんですが、こちらを見ていて、ライトの使い方が美しいんだ!とさらに感動しました。長老たちが机についていて、そこはすごく明るいライトがあてられているんですが、少し後ろにいるルイス・クーのいるところは暗くて、前に出てきて話をするとライトが当たる部分に入りスポットが当たるような。その匙加減というか濃淡がとにかく美しいなとおもいました。デジタルリマスターされているとはいえ、本当に20年近く前の映像とは思えないほどのきれいさなのよね。リマスターして美しいということは、美しいものがフィルムにそもそも焼き付けられていたということですもんね。本当に美しい。そしてメリハリがある。それだけで見る価値ありますね。
しかし、なんで香港映画は殺した人をミンチにして饅頭にしたり、犬に食べさせたりあんなに好きなんでしょうね。
個人的には、一斉に派手な抗争になった1作目よりも、徐々に敵を消していく2作目の方が好きですね。ルイス・クーがじわじわと追い詰めていく感じ。相棒?の殺し屋もいいし、自ら手を下すところもいいし。あのじわじわ真綿を締めていく展開。いいですねぇ。そして誰が敵で誰が味方か登場人物にはわかってないけど、見る方にはちゃんとわかる構成もいいですねぇ。登場人物多いわりにわかりやすいんだよね。
これはラストの絶望感なかなかえぐみがあっていいですねぇ。そしてどうなるのか全く見せないままバサッと切れる感じ。香港映画って、その後みたいなの見せないまま、余韻残さないまま全く予測がつかないように終わること結構あるよね。きらいじゃない。
あと、ラストの音楽が今回は重めで、1作目の終わった後の感情の置き場のなさというのはないのだけど、1作目と2作目のエンディング曲のギャップにやっぱり気持ちはどうしていいかわからなかった笑
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
監督:杜琪峯
出演:任達華、古天樂、張兆輝 他
2006年/香港
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー