まだまだ続くよ。ジョニー・トー。

 

『ブレイキング・ニュース』は警察物なので実はそんなに期待していなかったのです(私は裏社会の抗争物が好き)。

しかし、見終わった瞬間というかもはや途中から、これは「神が作りし作品だ」と思いました。

 

まずは冒頭の銃撃戦から。見ながら、銃撃しながら登場人物の後ろの車のボンネットにどんどん銃痕が付いていって、どうやって撮影しているんだろうと思っていました。登場人物たち防弾チョッキは着てると思うけど頭は全然守られてないんだよ。なんて危険な。と思ってたんですが!あとでみたら、この冒頭のシーン7分長回し!されにどうやって撮影したんだー!と思いました。当時まだ、ドローンとかないはずなのに上空から移動しながらの撮影も。もうここだけでものすごいお腹いっぱい。

 

さてそのあともどんどん期待を超えていく。映像の見せ方も面白かったですね。縦横自由自在のカメラワーク。おまけに左右に画面にして同時に起きていることを出してみたり。あと、音楽も最高に良かったですね。ものすごいみながら引き込まれていくしテンション上がっていく音楽の入れ方。秀逸以外のなんでもない。一瞬も飽きない。それどころか瞬きもしたくない。すべてを映画の中に持っていかれる感覚。そして、ジョニー・トーは脚本がないと有名ですが、なんでそれで成立するのかわからない伏線回収のすばらしさ。あと、説明的なセリフはほとんどないのに、登場人物も多いし、同時に事件が起きている場所も複数なのに、とてもわかりやすい。脚本ないのになんでこんな構成が可能なの!?

 

あと印象的だったシーンは、ミニバスとバイクの銃撃戦で、明らかに銃弾が映りこんでいた。それも複数。いったいこのシーンもどうやって撮影したのよ!?すごすぎる。まじですごすぎる。あとあと、警察と強盗と殺し屋の物理的立体的な心理的交流もめっちゃよかったなぁ。

 

終わった瞬間素晴らしすぎて朦朧としてしまった。総合芸術としてもはや感動を超えて、心をそのまま持って行かれた気分だった。

 

マジで、神の所業の一作。見られてよかった。すべてが神がかってた。

おすすめの香港映画を聞かれたら『インファナル・アフェア』の次ぐらいにお勧めしようと思う。

 

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監督:杜琪峯

出演:任賢齊、陳慧琳、張家輝 他
2004年/香港

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