公開時に見に行きたい!と思いつつも逃してしまった一作。
やっとDVDで見ることが出来ました。
好きという軸で言えば、この三つですね。
『回帰』袁和平
『道に迷う』林嶺東
『別れの夜』譚家明
中でも、『回帰』が一番好きかな。
なんというか香港映画特有のやるせなさというか、どうしようもないものに対して、
それでも目の前のことに向かって前向きに生きていこうという感じが描き出されていて好きですね。
何でしょうねあの香港映画の空気感。日本映画で描かれるそう生きざるを得なかった人物像とも違う。
もっと普通の人が、信念や意志ではなくもっと身近で軽い想いや願いを持ちながら現実の中であがきながら揺蕩いながら生きていくような。
あの空気感が好きです。
それでいて、『回帰』はその果ての最後に身近でささやかな幸せが掌の上にのって終わるような感じがとても好き。
ちなみに一番面白かったのは最後の『深い会話』。
見ながら、ツイ・ハークまじ天才かよ!と思いながら大笑いしました。
この7人の監督による、香港映画が好きな人に贈る映画だからこそ、面白過ぎました。最高でした。
全体的にとても回顧的。それはとても好きなテイストだった。
けど、同時に今から見ればノスタルジックかもしれないけれども、決していつだって静かなことなんてない活気的な街なのだとも思いました。
しかし、香港の監督さんって皆さんいろんな映画を作れてすごいよね。
俳優も歌手でマルチだけど、映画監督も作品においてマルチだよなぁと。
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監督:洪金寶、許鞍華、譚家明、袁和平、杜琪峯、林嶺東、徐克
2021年/香港
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