"開発当時は感染症治療の特効薬としてもてはやされていたペニシリンも、ペニシリン耐性を獲得した菌の増加とともに、見向きもされなくなっていった。かわりにペニシリン耐性を獲得した菌にもきわめて強い抗菌力を発揮するキノロン系といわれる各種の抗菌剤が、世界中で汎用されるようになった。その結果、今度はキノロン系への耐性を身につけた菌体が増加するという事態が起こってきたのである。 とはいえ、打つ手がないわけではない。ペニシリンの使用量がパッタリ減ったおかげで、キノロン系には強いがペニシリン系には弱いという病原体が増えている。 「見立て違い」では治せない① なかなか治らないのは、闘うべき相手が間違っていたから、というケースもある。「別の病院で淋病の治療に通っているが全然よくならない」と、クリニックを訪れた患者さんがいらした。 処方されていた薬を確認したところ、淋病の治療薬としては、それほど的外れなものとは思えない。尿道分泌物からも淋菌の存在は確認できなくなっている。しかし、症状はある。 結論から言おう。彼の現在の症状は、淋菌ではなくクラミジアによるものだった。 淋病の患者さんが同時にクラミジアにも感染していることはめずらしくない。新宿さくらクリニックを受診した患者さんのデータでも、淋菌が検出された人のうち二割強は、クラミジアも検出されている。当院を取材したテレビ局のディレクター氏は、これを「カクテル感染」と名づけてくれた。" クラミジアに感染!病院に行く時