ある日、買い物に行こうと電車に乗った。
その日は土曜日で、電車の中は人が多いと言うほどではないが、席はなく、立っている人がちらほらいた。
ふと、優先座席を見ると仕事終わりのサラリーマンが座っていた。
見た目は大体30代くらいだったと思う。
すぐ前に2歳くらいの男の子を抱っこした女性を見つけた。
2歳とは言っても、女性が揺れる電車の中で抱っこし続けるのは相当辛いだろう。
サラリーマンも女性とは何度か目が合っているようだった。
「なぜ変わらないんだろう?」
そう思った時、金髪にピアスを開けマスクをした、いかにもヤンキー風の青年が現れた。
すると青年は、座っているサラリーマンに
「おっさん、席変われよ。」
そう呟いた。
サラリーマンは、不服そうな顔をしながら立ち上がった。
すると、青年は男の子に
「座りなよ。」
と小さな声で言った。
男の子は満面の笑みで
「お兄ちゃん!ありがとう!!」
と、大きな声で言った。
女性も、笑顔で
「ありがとうございます!」
と、青年に言った。
青年は顔を赤くしながら照れた様子で次の駅でそそくさと降りて行った。
男の子の「ありがとう!」の声で私を含むすべての人の心が温かくなっただろう。
以上です!
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